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  春風 作者:給湯器
始業式 放課後第2話
壱春が作業を初めて20分…。

『この人は本当に手伝ってくれないんだな…』

タバコを吸いながら、プリントで紙ヒコーキを折り始める柚先生を見ながら思う。


…。


……。


黙々と作業を続ける壱春。
数えてはいないが、プリントの残りから予想して後1クラス分ほどで終わるだろう。

喋ったり、ちょっかいを出して作業を邪魔したり………騒々しい柚先生は大人しく…というか浅い眠りについてるみたいだ。


『…寝てんのかよ! 』

壱春は苦笑いをし、柚先生を見ながら、また黙々と作業を始める。


…紙が焦げる臭い…また少し目線を上げると作り終わった修学旅行のしおりの上に、タバコが落ちていた。
そのタバコは既に、プリントを少し黒く焦がしていた。

…タバコ…

…………………。
壱春は、ほんの2秒ほど…思考も身体も動かなかった。


「ちょっ! 柚先生っ?! 」


…起きる気配がない


「…ゆずっ!! 」


「んぁっ…?」

変な声を出して柚先生が顔を上げる。その声と同時に壱春は左手で、正面に座って寝ていた柚先生の左肩を少し強めに押し、小さな火を出し始めた一番上のしおりを右手で素早く引き抜く。
『柚先生に寝惚けて火傷されても困るからな!』


急いで流し台まで行き、しおりを放り込み蛇口をひねる…。



『パチン』

『パチンパチンッ』


「さっきは…すまなかったな…。」

柚先生が壱春を手伝いながら、静かに喋り出す。

「別に気にしてないっすよ…。こうして手伝ってもらってますし……ラストっ!! 」

『パチン』

「おわったぁーー!」
壱春は両手を上げ背伸びをし、まだ苦い顔をしている柚先生を見て話しかける。
「まぁ1学期の俺の体育の成績を『5』にしてくれたら…さっきの事はチャラにしますよ! 」

「…ソレは脅しか?」


壱春は苦笑いしながら…

「まぁ…そんなとこです。」
と、ニカッと笑う



「…面白い奴だなお前は。」

柚先生も壱春と同じように『ニカッ』と笑いながら携帯の時間を見る。

「もう昼だな…。私が奢るから飯でも食べにいくか!? 」

柚先生は、財布の中身を確認しながら壱春に訪ねてくる。ここは『貸し』をチャラにするためにも『OK』した方がいいのだが…


「すんません…弁当なんで。」

壱春は鞄から弁当を取り出し柚先生に見せる。

「うーん…じゃぁ私も久しぶりに弁当にするかなっ! 」

と言うと、柚先生は自分のロッカーから、カップラーメンを取り出し机の上に置いた。


『柚先生の言ってた弁当ってコレなのか?』

柚先生と机の上のカップラーメンを不思議そうな顔で見ると、
また柚先生は『ニカッ』と笑う。


「ついでにお茶いれてやるから待ってな。」

カップラーメンの他に自分の湯飲みを2つ取り出し、柚先生はガスコンロに向かった…。



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