修学旅行 第1話
「…おいイチハルっ!……良いのかこういうのってっ!? 」
「いや、俺に聞かれても解るわけねぇ!」
「アレアレー?? 『生徒会長様』ってば、俺等と同じ学年だったっけー?? 」
「「…………。」」
「………ヒロ。今お前に構う余裕は無いからしばらく黙っててくれ。」
美波の修学旅行参加を、意外とすんなり受け入れた千秋以外の女子生徒達とは違い、『コソコソ』と話をしていた壱春、健太、そして『口を押さえられた』広幸の3人。
美波曰く、決して修学旅行について来た訳ではなく、偶然にも旅行に行こうと決めていた『時期と目的地』がたまたま…一緒だったらしい。
美波のその話を聞いて
『そんな都合の良い話が通るわけないでしょっ!!』
と怒鳴っていた千秋も、窓の外をボーッと眺めながらお菓子に手を伸ばす。
壱春達が話をしている時、『トランプ』で遊んでいた美波と女子生徒達は、いつの間にかトランプを箱へとしまい、目を輝かせながら『恋愛話』に花を咲かせて盛り上がっている。
「やっぱり学年の男子で一番人気は健太君だよねー。 頭も良くてスポーツ万能、優しくて、そして何より………。」
「「「「イケメンだもんねぇーー!!!」」」」
女子生徒達は口を揃えて答え、『キャーキャー』と騒ぎだしていた。
「そういえばさー、健太君、先週1年の子からファンレターもらってたよー! この前もE組の横山さんに告白されたらしいし…でもさ、アレだけ告白されてるのに今のところ誰とも『付き合った』って話聞かないよね!? 」
声のトーンを落とし内緒話をしていた女子生徒達は、自然と自分達の話題の中心である健太に視線をむけ、その健太は時おり笑顔を見せながら、壱春や広幸と楽しそうに話をしていた。
「…まさかねー…。」
一人の女子生徒の呟きに、他の女子生徒達が急に手を『ブンブン』と振りながら、慌てて口を開く。
「それは本当に勘弁だよー! もしそうだったら…転校しちゃうかもっ…。」
「私も学校に来る目的が無くなっちゃうよー。」
「あーそれ分かる分かるーー。」
そろぞれの思いを口に出す女子生徒達の話を黙って聞いていた美波も、ようやく口を開いた。
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