この状況って? 第1話
GWが終わって数日…。
壱春の目の前には、板張りの床の上で『大の字』で倒れる『広幸』と『健太』の2人。
そして、いつもの調子でニコニコと笑顔を向けている胴着姿の『陸』と、
肩で大きく息をする壱春。
一体、何故こんな事になったのか……それは今日の放課後、広幸の誘いの言葉から始まった。
「壱やーん!この後お暇かなーー!?? 」
「まぁ暇だけど…ヒロは部活だろ? 」
広幸は、壱春の言葉に外を指差しながら話を続けた。
「見ての通り大雨でさー…自主トレになったんだよねー! んーでー、健ちゃんとも話したんだけどさー、陸ちゃん家の道場行ってみない? 」
「別に良いけど…俺達素人が行っても道場の人達に迷惑なんじゃねえか? 」
「あっそれはご心配無くっ!!人が集まるのは6時頃っていってたからさーー! よーしー!!俺等3人で陸ちゃんを『ギャフン』と言わせちゃいましょぉーー!!! ぬはははははっ!!」
胸を張りアホみたいに高笑いしていた広幸は、3分もかからない内に『ギャフン』と言わされ、未だにピクリとも動かない。
「結構粘りますね壱春先輩。 でもそろそろ…お2人と同じ様に『ギブアップ』した方がいいと思いますよ?? 」
未だに倒れたままの広幸と健太を横目で見ながら、陸は壱春に話し掛ける。
「はっ?!……誰がっ!!」
陸のその言葉に、壱春は『眉間』にシワを寄せ勢い良く前に踏み出すが
『ガツッ』
と言う音と共に、またしても壱春の身体だけがのけ反る。
「あれっ? 今の結構本気で蹴り込んだんですけど…痛くありませんか? 」
「…ぶはっっ! ふっ!! はっ……!! あほか…メチャクチャ……いてぇっつーの……。」
蹴られた脇腹を抑えながら表情を歪める壱春は、余りの痛さに普通に呼吸が出来ない。
すると途端に身体が重くなり始め、バランスを崩し倒れそうになる。
『……まだ終わりじゃねぇっ!!』
そう思い、左足を前に出し踏ん張ったはずだった…。
けれど壱春が次に見たのは、『ニコニコ』とした表情の陸では無く、
医務室の畳の上に寝かされた壱春を、心配そうな表情でを覗き込む『宮崎小雪』の姿だった。
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