始業式第3話
『…。』
『……。』
酷い事になった雑誌の表紙をグシャグシャに丸めながら、壱春は掲示板に張り出されたクラス表を見る。
幼馴染みの沢尻千秋や、1年で同じクラスだった友達も何人かいるが、大半の生徒はわからない。
始業式はもう始まっているようで自分のクラスに向かう途中、壱春は誰にも会わなかった。
『2ーD』
教室の前のプレートを確認して、中に入る。
『教室に入ったのはいいけど自分の席わかんないな…』
そう考えた時、ふと席を見回すとご丁寧に名前の書かれた小さな紙が置かれている。
「おっ!あったあった。」
窓際でわないが後ろの席だ。鞄を置き、席につく。
座ると同時に廊下が少しずつ騒がしくなり、始業式を終えた生徒達がそれぞれのクラスに入っていき、2ーDにも生徒が増えてきた。
「あ―!壱やんじゃん! 始業式から遅刻とはやりますねぇー? それにその頭…ギャグなのかーい? 」
隣の席につき緩い言葉で話しかけてくるのは中学から仲の良い
『戸高広幸』《とだかひろゆき》だ。
「…今日の遅刻も爽やかなこの頭も…千秋のせいだよ。 ギャグはお前のそのアフロ頭だろ。ヒロらしいけどさ!」
壱春は苦笑いしながらヒロの髪形を見る。
「さすが俺の親友、壱やん! 健ちゃん何てさー、大爆笑するんぜ! ヒドイよなーーっ」
調度、後ろから椅子に座っている広幸の頭を小突いてニヤニヤ笑っているのが
『河上健太』《かわかみけんた》。
こいつも中学からの友達。
「だってアフロだぜ!? 相変わらず突拍子もない事してくれるよ! 」
健のその言葉を聞き、続けて広幸も喋り出す。
「ちっちっちっ! この髪型は突拍子もないことでわないのだー! このめでたい始業式に、アフロにするために伸ばし続けていたのだーーーっ!!」
両手を高々と上げて拳を握り叫んでいた。
『……。』
「そこのモジャモジャ頭! うるさいぞ!」
「モジャモジャ頭じゃない! アフ…ロだ………。」
前を向いた広幸が急におとなしくなり、席につく。教卓には1人の女性…2ーDの先生様の登場だ。
「みんなおはよう! 私が担任の『遠山柚希』《とおやまゆずき》だ! 一年間よろしくなっ! 」
ここで皆が思う
『女優やアイドルより綺麗!!』
上下ジャージ姿なのに、何て言うか雰囲気が違った。
『アレがオーラってやつなのかもしれないな』
と机に頬杖をつき壱春は思った。
+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。