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  春風 作者:給湯器
楽しい火曜日 第9話




「それで買い物って…何か欲しい物でもあるんですか? 」


壱春の横を歩く美波に問い掛ける。


「うーん…、春坊の『恋心』と言う名の……気持ちかな!!」



『美波先輩………。』

「……要するに…買い物ってのは…『嘘』なんすね??」



壱春のその言葉に『ニコッ』と笑顔で頷き返す美波に、壱春は肩を落とし……歩きながら携帯を見る。

ジムの時間までは、もう少し時間はあるが、このまま美波と『一緒』に居ると多分…『ロクな事』が起きない。


そう考え…、

「それじゃ…美波先輩……俺はココで!」


門を出ると同時に、美波とは逆に歩き出す壱春を美波が呼び止める。



「デ…デートしよっかぁ春坊ぉー!?」



不意に放たれた美波の言葉に、足を止めて振り返る壱春…。



「今……何て言いました?美波先輩………?」



「デ…デート………。」

壱春は不審者のように回りを見渡し、確かに自分に言われている事を確認すると、もう一度『美波』に質問する。



「なっ…何て言いましたっけっ??」



「………だっ!かっ!らっ!! デートよっ! デーーーェーートォーーーーッ!! 」



美波の誘いに、口を半開きにさせている壱春と、

「はぁはぁ…」


と、急に大声を出したせいで、少し呼吸の乱れる美波。



「…誘ってもらえるのは嬉しいんですけど、ちょっと予定が……。」



美波の誘いを、巧くかわそうとする壱春に



「お願いぃ!! プリクラ…一緒に撮ってくれるだけでいいからさぁぁー………。」



美波の『哀願』する表情とか細い声に、

一呼吸置き、頷く壱春…。

…そして美波はとびきりの笑顔で


「ヤッタァァァー!!」


と、叫びながら壱春の右腕に飛び付き、そのまま市街地の方へと向かい歩き出す。



「美波先輩………10分だけですよ…………!?」


「プリクラなんてぇー、5分ぐらいだよぉぉーー!」


笑顔で振り返り、『ニコッ』と笑っている嬉しそうな美波の表情を見ると、つられて笑顔になる壱春。


『まぁ…いいか。』


壱春はそう思いながら、横を歩く美波を見た。





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