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  春風 作者:給湯器
楽しい火曜日 第8話


……


何だかんだで…今日一日も無事に終わり、千秋と奈緒は生徒会へ、健太と広幸は部活へと向かっていく。梨沙も鞄へと教科書などを入れている。


壱春は顔だけ隣の席に向けると、まだ鞄に物を詰めている途中の梨沙に話しかけた。


「平山は2年なのに部長なんだってなー? 」


急に壱春が話しかけた為に、梨沙は少し驚いた表情を浮かべながらも、明るい声…そして笑顔で答える。


「そうだよー。 でも…部員が少ないってのもあるんだよね。 美術部4人しか居ないし。」


そう言い、苦笑いを浮かべ、鞄を持ちながら席を立ち、もう一度壱春に話しかけた。



「壱春君は今から時間あるかなー? 」


その質問に壱春は一度時計を見る…。予約しているジムの時間までは一時間半…。
それを確認すると梨沙と同じ様に席を立ち答える。


「おう、一時間ぐらいなら全然平気だぞ。 」



「それなら、一緒に美術部に参加してみない? 」


梨沙の明るく話し掛ける言葉に


「まぁ時間あるし…、『美術部部長』の平山の実力でも見るかな!」


笑いながら席を立ち、その壱春と並んで梨沙も教室を出る。

美術部の部室は1階…丁度階段を降りきると、生徒会室に向かう途中の美波と会う。


「あっ!春坊ー。 今から帰り? 」


「美術部見学しに行くんすよ。」


壱春はそう言うと梨沙の肩を『ポンポン』と叩き、梨沙は美波に笑顔で頭を下げた。


その行動の何が気に食わなかったのか、美波の雰囲気が変わった。そして壱春の腕を掴みながら強めの口調で喋り出す。

「…買い物に付き合って。春坊!! 」


「…話し…聞いてたと思いますけど、今から美術部に………。」


美波の思いもよらない言葉に、壱春は一瞬…意味が分からなかったが、直ぐにさっき話してた事……『美術部』に行くと言うことを説明し直すが…、


「重い荷物があるのっ!  …それとも春坊は私を見捨てるのーー?! 」


「見捨てるも何も……。」


問答無用の美波の対応に、面倒臭そうに頭をかくと、壱春は梨沙の方を見る。


「あっ!私の事は全然気にしなくていいよ! 」

「わりぃな平山……また今度誘ってくれよ!」


『笑顔』で答える梨沙に…『すまない』という表情で謝ると、


「春坊ーー! 早くしなさいよーー!」



少し離れた所で待っている美波の方に向かい歩き出した。



2人で歩き出す、壱春と美波の背中を見て…


『沢尻さんじゃ……あの『美波先輩』には勝てなさそうだなぁー。』

梨沙はそう考えながら、美術部の部室へと急いだ。





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