楽しい火曜日 第7話
『平山梨沙』《ひらやまりさ》
健太に聞いた話によると、全国模試で常に上位に入る程の秀才で、美術部部長。
話を聞けば聞くほど誰もが『がり勉タイプ』としか思わないだろうが、実際に話してみると…『よく話す』し『よく笑う』。
既に健太や広幸と、『昔からの知り合い』の様に打ち解け、話が盛り上がっている。
広幸に至っては…
「梨沙ちゃんはさぁーー…」
と『名前』+『ちゃん付け』だ。
誰とでも直ぐに打ち解け合ってしまうのが、広幸の性格だが…
殆んど初対面で、ここまで率直な態度を取る広幸は久しぶりだなと感じながら、
平山梨沙の『明るい笑顔』を見る壱春。
それと同時に、教室の扉が開き…
「遅れてすまーーん! 取り敢えず自分達の席に着いてくれー!」
と、柚先生が喋りながら教卓に向かい、
その後を、少し血の気の悪い顔色をした千秋が、『ゆっくり』と入ってくる。
千秋のその姿を見て
「壱やんに健ちゃん、梨沙ちゃんも―、またあとでねーー! 」
そう言って、3人が頷くと、手を軽く振りながら、笑顔で自分の席へと向かう広幸。
「どうだー? 修学旅行の班決めは順調かー!? 」
柚先生のその言葉に、思い出したかのように、千秋に話し掛ける壱春。
「おい! 千秋。」
「…っ! なっ!?なに? ハルちゃん? 」
一瞬身体をビクつかせ、慌てながらも返事をする千秋に、壱春は続けて話し掛ける。
「勝手に決めてわりぃけど、修学旅行の班…一緒になったからさ。」
少し…『申し訳なさそうな表情』を浮かべる壱春に
「…………うんっ!!」
千秋は少し顔を赤くして『元気』よく頷く。
その千秋の様子を見るなり
「どうだー沢尻っ!? 顔が少し赤いみたいだが…体調……良くなったのかなっ?? 」
柚先生は『ニヤニヤ』と笑顔を浮かべ、
当の千秋は、心配そうに見てくる壱春の目を見れないまま、慌てて否定する。
「べべっ別にっ。 あっ…赤くなんかないもん!! 」
クラスの生徒の殆どが…不思議そうに、前の3人に注目しているなか…
千秋と壱春…そして柚先生を見つめながら、壱春の隣の席の『平山梨沙』は…筆箱からボールペンを取りだし、
『カチカチッ』と鳴らすと
「ふーん。 そういう事なんだぁ…。」
と小さな声で呟く…。
そして机の中から数学の教科書を取り出すと、もう一度『カチッ』とポールペンを押した。
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