楽しい火曜日 第3話
立ち尽くす壱春と千秋。
恐る恐る口を開く壱春…
「殴らない…のか?」
「…殴られたいの……?」
赤い顔で『キッ』と睨み付け拳を握りしめる千秋。
「いえ…特に……」
握り締めた手をほどき、壱春から目をそらして、千秋は歩き出しながら喋る。
「殴っても…私の手が痛いだけだし。 ハルちゃん変態だから…『悦ぶ』もん! 」
「……千秋の中で……いつから俺は『変態キャラ』なんだよ? 」
先に歩き出した千秋に、壱春は直ぐに追い付き、自分を変態扱いしてくる千秋に抗議するが、その千秋は壱春を横目で見て『ふっ』と鼻で笑い、『スタスタ』と2階の教室に向かって歩いていく。
「ところで千秋、今日はチャント朝御飯食べてきたのか? 」
2人で階段を上り始め、壱春が話しかける。
「…ん?食べてきたけどなんでー?? 」
「いや…今日身体測定だし、御飯食ってないから殴る元気もないのかなって思ってさー! 」
その言葉に千秋はまた拳を握りしめ、今度は壱春狙って大きく振りかぶっている。
「やっぱり殴られたいんじゃん!! お望み通り殴ってあげるもん!! 」
「ちょっまて!冗談………へっ?! 」
壱春を殴ろうとした千秋は、運悪くバランスを崩し、握った拳で壱春を殴ることもなく、階段を転げ落ちた…。
「…」
「おい千秋…。」
「……。」
階段を『2段』だけ転げ落ち、倒れ込んでる千秋……
お前は……
「お前は…何でそんなに…ドジなんだろうな……。」
「……っ!!」
千秋はゆっくりと身体を起こして、座ったまま『小さな声』で呟く。
「私だって…好きで……ドジなわけじゃ…ないもん…! 」
壱春は今にも泣き出しそうな千秋に近づき、『ポンポン』と頭を軽く叩き…
「…わりぃ。ちょっと言い過ぎた………って千秋ぃぃぃぃーーー!? 」
謝りながら千秋の顔を見て壱春は驚き、千秋の背中と膝の裏に手をまわし持ち上げると…走り出す。
「えっ!? えっ!?? ハルちゃん??!」
状況の飲み込めてない千秋は、壱春の行動に表情を『コロコロ』と変えている。
「大人しく『鼻』押さえてろ!!」
「はっ!? はな??」
「鼻血だよ!! 鼻血!!」
壱春の言葉に千秋は慌てて鼻を押さえ、壱春は千秋を抱えたまま保健室の扉を、左足でスライドさせ中に入った。
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