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  春風 作者:給湯器
楽しい火曜日 第2話


壱春と健太、そして陸の反応を見て、今の自分の置かれた状況を理解した広幸は急に慌て出した。


「ちょっ!? ちょっと!まってよ!3人とも勘違いしてるってぇーー! 」


3人の冷たい視線に…広幸は既に半泣き状態まで追い詰められている。


「冗談だろっ!? 泣くなよヒロユキ!」


「そっかー…そうだよねぇー!冗談が酷いよ!3人共さぁー。」


そう言いながら広幸が一歩前に出ると、3人は距離をとる様に一歩後ろにさがった…。



「…。」

広幸は無言。



「何でさがるんだよ!? イチハルに陸っ!」


健太の言葉に


「健太先輩と壱春先輩の方こそ…さがらないでくださいよ…。」


陸が反応し、壱春も続けて喋る。


「俺はたまたま……後ろ向きに歩きたいんだよ…。」


その言葉に、健太と陸も頷いた。


「俺もだ。」

「僕もです。」
彼らの一連の言動を見て…

「……ふははははっ!」

広幸は急に笑いながら、両手を大きく開いていた。


『『『壊れた!』』』

広幸が詰め寄ると同時に、3人の中で1番早く壱春が後ろに退く…。

その時…広幸が『ニヤッ』と笑うのが目にはいる…その瞬間、壱春の背中に何かがぶつかった。


「キャッ…。」

「うおっ…!」

後ろ向きで歩いていた為に、バランスを崩し倒れ込む壱春と女子生徒…。
「…いったぁー。」



「すまん!すまん!! 後ろ見てなかっ……たんです……………。 千秋………『さん』……。」



押し倒される様な形で、壱春の下になる千秋のまわりを、不穏な空気が包み始めた…。

それを見て、『ニヤニヤ』笑っていた広幸が真面目な顔になり、健太の肩を抱え込み


「そ、それじゃぁー私達2人は行きましょうかぁー? 健ちゃん!」


「そうだねーヒロユキッ! まっ、また後でなイチハル!! 」


「それでわ。 壱春先輩……無事を祈ってます。」


広幸とは健太は、2階へ…。
陸は自分のクラスへと入っていく…。



「…。」


『…。』


何故か顔を赤くしたままで何も言わない千秋と、
このピンチを切り抜ける方法がどうしても思い付かない壱春。



『…キーンコーンカー…。』

チャイムの音で『ハッ』っと我に返り、上体を起こして千秋から離れ、手を差し伸べる。



「…わりぃ千秋。大丈夫か? 」


「…んっ…。 」


素直に手を握り、壱春に引き起こされる千秋。その…余りの『素直な態度』に壱春の心は大きく動揺し始めた。


『なんだコレわっ?…この静けさわなんだ!? 』


壱春に周りの雑音は一切聞こえない…唯一聴こえてくるのは……


自分の『心臓の音』だけだった………。




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