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  春風 作者:給湯器
3学期スタート 第7話


「うぅ……もう…やめてよお姉ちゃん………。」


美波との口喧嘩にアッサリと負けてしまった千秋は、肩を震わせながら長机に手を着き顔を埋め泣き始める。
一瞬静かになった生徒会室に千秋の鼻を啜る音が小さく響く。


「あぁースッキリしたぁー!ところで春坊のお話はなぁーにかなぁー?? 」


千秋を泣かしちゃう程にボロクソに暴言を吐いていた美波が表情を和らげて壱春の事を見てくるが、さっき迄の光景に唖然としていた壱春は口を開けたまま間抜けな表情で固まっていた。


「ちょっとぉ、春坊ぉー?? 」

「おっ、ああ…えっとですね…。」


壱春の目の前で手を振る美波の行動でやっと我に返った壱春が喋り始めると、机に突っ伏し泣いていた千秋が上体を起こして鼻をズズッと鳴らし、制服の袖で涙を拭いながら壱春の事を見詰めていた。
その千秋の目は仇を取ってと訴えている。


「……あー…あのですね…。」

「なぁーにぃー?? 」


ニコニコと微笑む美波。

睨むような目付きで凝視してくる千秋。


「……いやー、大した事では無いんですけど……。」

「んー??一体どうしたのぉ春坊ぉー? 」


ニコニコと微笑みながら不思議そうに首を傾げる美波。

壱春の言葉に目を見開き更に目力を加えて凝視してくる千秋。

壱春は唾を飲みゴクッと喉を鳴らした。


「…………やっぱり何でもないっすっ!!…すまん千秋!後は頼んだぞっ!!」

「ちょっ?!ハルちゃん裏切るの?!」


慌てて席を立ち生徒会室から出て行こうとする壱春を追いかける様に、千秋も急いで椅子から立ち上がると壱春目掛けて突進する。


「裏切るんじゃねぇっ…さっきの姉妹喧嘩にビビったんだ!」

「ど、どっちもダメじゃん!ハルちゃんのあほーーっ!!」


この場から逃げるように生徒会室の扉を開けようとする壱春に、少し涙目になりながら勢い良く突っ込んで行く千秋は綺麗にタックルを決める。
すると運悪く生徒会室の扉が外れてしまい壱春は扉に抱きついたまま、千秋は壱春に抱きついたまま、ガラスの割れる音と共に2人は倒れ込む。


「ちょっとぉっ?!何してるのよ2人してぇ!その遊び流行ってるのぉー?? 」


広幸が言いそうな言葉を口にして呆れている美波。


「いってぇー!!加減と言う言葉を知らねぇのかお前は?!」

「ごめんハルちゃん…あっ、刺さってるよ? 」


壱春に刺さっていたガラスの破片を考え無しにピッと引き抜く千秋。
その瞬間ドクドクと大量の血が壱春の左眉の上から吹き出す。


「うおおおおおおっっ?!」

「いやぁぁぁぁあああっ!!」

「………。」


壱春は自分の額から噴水の様に吹き出す血を見て驚き、千秋は自分に吹きかかる血を浴びながら恐怖の悲鳴を上げ、美波は壱春の様子を見てショックで気を失ってしまっていた。





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