大切な…月曜日第6話
「おやすみー。」
リビングで陽介と京子に声をかけ、自分の部屋のベッドに入る千秋。
掛け布団を胸の所まであげて、自分の部屋の天井を見つめ、今日1日の姉の『妄想と行動』を思い出し、少し笑う。
『お姉ちゃんて、ハルちゃんが関わるといつも………』
そう…いつも『暴走』している訳でわない美波が、『壱春の事』になると…他の生徒や先生、近所の人や家族に関係なく、まして学園内だろうと公共の場だろうと気にせずに、壱春に対して『暴走』している。
千秋と美波…姉妹2人で壱春の事を真剣に話し合った事は、何度もあった。
けれど美波が…姉が壱春を好きな事を知ってから、美波の口から出る…
『春坊』
その言葉に…、少し胸が痛かった千秋。
その『チクッ』とするような胸の痛みが何かなんて、真面目に考えた事は無く…今日になって初めて
『幼馴染み』としての好きでわ無く、姉の美波と同じ様に…
1人の『男性』として好きな事に、千秋も気付いたのだ。
『ハルちゃん…』
鞄の中のオレンジジュースと、壱春の姿を想像して…身体の中が熱くなり
『モゾッ』
と身体を動かす千秋…。
それと同時に、枕の横に置いてある携帯から、聞き慣れたメールの着信音がなる。
『ビクッ』として見る千秋の携帯のディスプレイに表示されるのは…『サンタ』の文字。壱春からのメールを開き、すぐに返信する。
…送信ボタンを押し、携帯を閉じると、千秋は一度、隣の部屋からの灯りが漏れてくる窓の方を見て、掛け布団を自分の頭が隠れるまで上げなおした…。
…その頃
壱春は千秋からのメールを見て、視線を携帯から、右手に持つ『ハンカチ』へと移した。
「かりてたハンカチ返そうと思ったのに…『あげる』って言われてもなー……こんな『ハートマークのハンカチ』…俺は持ち歩かないっつーの。」
そう独り言を呟き『ハートマーク』のハンカチを、机の引き出しにしまう壱春。
次の日…
勿論、千秋の鞄の中には、相変わらずオレンジジュースが入っていた。
ただそれは、単なるオレンジジュースの缶でわなく…、
壱春にあげたあのハンカチの様に、
『ハートマーク』が画かれた…
『千秋の大切な物』
に変わっていた…。
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