大切な…月曜日第5話
…。
いつもと同じように、運動した後にジムでシャワーを浴びてかえる壱春の前に…美波が息を切らせながら立ち塞がり、壱春の左の手首を握っている。
「あの……美波先輩…どうしたんですか? 」
壱春の言葉を聞きながら、無言で近づく美波。
壱春の胸に美波はオデコをつけていた。
「あの…美波先輩? 」
オデコを壱春の胸につけたまま美波は話し掛ける。
「ジムってどんな感じなのぉ? お風呂…とかってさぁ。 」
「お風呂っていうか…まぁシャワーとサウナしかないけど…ジムの中はいつも綺麗だし、設備も整ってていいですよ! ……そうだ美波先輩!? 」
急に大きくなった壱春の声に反応して、顔を上げる美波。
「美波先輩もどうですか? 一緒にジム!! 俺も知り合いがいた方が楽しいですからね!」
笑顔で話し掛ける壱春に、美波も笑顔で答える…。
両手で…
壱春の首を掴みながら。
「『知り合い』って何よぉ! せめて…『仲の良い幼馴染みの先輩』って言い直しなさいよ春坊ぉー!」
「……すっ…すいまぜん………。」
壱春の首から手を離して、苦笑いで笑い合う壱春と美波…。
「…それで…どうですか美波先輩!? 」
壱春は、お互いの家に向かい、一緒になって歩き出す美波に話し掛けた。
「私は生徒会の仕事あるし…、2人で一緒にジムに行ける事なんて余りなさそうだからなぁー…。」
そう言う美波に少し落ち込みながらも笑顔で頷き返す。
丁度家につき、
「それじゃ!」
と美波に背を向けて門を開ける壱春に、
「じゃぁ今度、ジム見に行こうかなぁー…。壱春と一緒なら…。」
美波は少し照れたように言う。
「わかりました! それじゃまた。」
笑顔で手を挙げて答える壱春に、美波も同じ様に手を挙げて返した。
『これって…もしかして……私、デートに誘われてるぅー!? 』
美波は急に嬉しくなり、『フフッ』と笑みを浮かべながら、スキップして家の中へと向かって行った。
「ハルちゃんに会えたの?…お姉ちゃん。」
美波がリビングに入ると、テレビを見ながらお茶を飲んでいる千秋。
「会えた……それに…、春坊にデートさそわれちゃったぁ!」
そう言い
『キャッ!』
っと頬を両手で覆う美波と
「はいぃぃ?!…………熱っ!!」
飲んでいたお茶を溢し、慌てる千秋。
「それって…またお姉ちゃんの『勘違い』じゃ…。」
「『勘違い』って何よ千秋ぃ!?私がいつ…!!」
そう千秋に言った美波は、何かを思い出したかのようにもう一度家を出て、壱春の家のインターホンを押した。
「はい!どちら様で…」
「春坊! あんた浮気してないわよねぇ!?」
「…。」
「…あのー…美波先輩? 」
「なによぉ!? 」
「失礼ですけど…『浮気』って意味…知ってますよね?? 」
『あれ?何か同じ様な事…誰かにも言われたような気がするなぁ…。』
壱春のその言葉に少し考え込む美波と、
インターホンの受話器を持ち『溜め息』をつく壱春だった。
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