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  春風 作者:給湯器
告白 第7話


次の日の放課後…当たり前の様に用務員室で文化祭のプリントをまとめてホッチキスで止める壱春の横で、携帯を片手に煙草を吸う柚先生はニヤニヤと笑みを浮かべて、下を向いている壱春の顔を見る。


「そう言えばサンタお前、可哀想な事に沢尻姉妹から無視されてるんだってなー?!」

「別に可哀想じゃないっすけど……そんな事誰が言ってました? 」


プリントをまとめる手を止めて顔を上げる壱春を、嬉しそうに笑う柚先生は新しい煙草に火をつけ、またもやニヤニヤと笑っている。


「勿論沢尻姉妹だなっ!」


そう言って煙草の煙を壱春へと吹き掛ける柚先生に対して、不機嫌そうに顔をしかめる壱春はその煙をそのまま返す様に、手に持っていたプリントで扇ぎ返していたが、当然柚先生はそんな事一切気にせずに言葉を続けている。


「そんなに勢い良く扇ぐなよー。寒いんだからさーっ!ていうかサンタ…、安田と付き合いたいって言うのはホントなのか? 」


柚先生のその言葉に、壱春は扇ぐ動作と共に手に持っていたプリントを勢い良くばらまいていた。


「だ、誰がそれをっ?!」

「アハハ!これも勿論沢尻姉妹に聞いたんだよ!特に生徒会長の方だけどなっ!サンタを呪い殺すってぐらいの表情で私に熱弁してたからなー…お前遺書を書き残しといた方が良いんじゃないか? 」

「……勘違いで呪い殺されてたら命がいくつ有っても足りないっすよ。」


一瞬身震いした壱春だが、ばらまいたプリントを集めながら柚先生に視線を移す。
相変わらず柚先生は面白そうに笑ったまま口を開いた。


「それで何で安田狙いになったんだ?!もしかして…宮崎姉にフラれたのかっ? フラれたんだろ?!そうなんだろサンタっ!!」


嬉しそうに喋りながらジリジリと詰め寄って来る柚先生に、壱春は苦笑いで対応する。


「だからそれは千秋と美波先輩のいつもの勘違いです。言っときますけど自分は今までフラれた事無いですから。」

「ハッ!!まず第一にサンタ…告白なんてした事無いだろ?? 」

「う゛っっ!!」


頑張って面白い事を言おうとした壱春がニカッと笑って見せるのだが、柚先生にこうもアッサリ切り捨てられると、笑顔をそのままに立ち直れない程肩を落としていた。


「そんなどうでもいい事は置いといてだ!えっと…サンタに質問したいんだが…。」

「何すかー…? 」


溜め息混じりに顔を上げる壱春の前には、今迄見た事の無い柚先生の表情。


「えっと…えっとだな…、わ、私は女性として魅力的なのか?? 」

「………はいぃぃっ?!」


突拍子も無い柚先生の言葉に、『何言ってるんですか?』といった表情で頬を紅くしている柚先生を凝視してしまう壱春だった。





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