ブックリスト登録機能を使うには ログインユーザー登録が必要です。
  春風 作者:給湯器
日曜日 第4話


…。


「今日はお邪魔しました! 」


『1勝1敗』の壱春の言葉に、柚先生は『ニコッ』と、笑顔で見送り


「…じゃぁ沢尻は月曜日から…頼むぞ? 」

『ニヤニヤ』と千秋の方を見る、『2勝』の柚先生。


「…はい……。」


『2敗』の千秋は肩を落としながら返事をする…。

勿論、苦手な千秋に『ハンデ』はあげていたので、文句は言えない。


月曜から一週間…、千秋は柚先生の雑用をする事になった。


マンションのドアを閉め、エレベーターへと向かう壱春と千秋…。

エレベーターに乗り込み1階のボタンを押す。
エレベーターは、途中の階で止まる事なく、1階に着いた。


柚先生の部屋を出てから終始、無言の千秋…。

「…」

面倒臭そうに頭をかきながら


「…雑用なら、俺も手伝ってやるからさ!?」

と言う壱春の言葉に、千秋の落ち込む表情は、『パアッ』と明るくなった。


「…ホントー? 」

笑顔で聞き返してくる千秋に、


「…ホントにホントーだ。」

面倒臭そうに答えながらも、壱春の表情は笑顔で、
千秋も壱春につられて、嬉しそうに笑っていた…。





……

『あっ! 』

…2人が、千秋と壱春の家の前まで来た時、壱春は柚先生の部屋に『ゲームソフト』を忘れた事に気付いた。


「取りに戻る?ハルちゃん…。」


「いや、いい…。」


壱春は携帯を開き、電話を掛ける……


「…あっ壱春です。 ゲームなんすけど…はい…お願いします。はい、また明日。 」

…電話を切ると、千秋が壱春に詰め寄り、真顔で聞いてくる。


「いつ柚先生と電話番号を交換したの? 」

「あー、始業式の日にだけど? 」

壱春の答えに…



「…ハルちゃんの……」


そう言いながら千秋は玄関まで行き、振り向いて叫んだ…。



「ハルちゃんの…巨乳好き! オッパイ星人!! スケコマシーーーーー!!! 」



…『バタン』と千秋の家の玄関がしまり、壱春だけ取り残される…。

ふと横を見ると、丁度千秋の『叫び声』を聞いた、通りすがりの女性が『胸』を隠す……。


「ちょっ!? 違うんで…」


「ヒッ!! 」



女性は一瞬で後ろに向き直し、走っていった…。 


『…。』


『……。』


壱春は千秋の家の『呼び鈴』を鳴らし

「謝れ! 今回はマジで謝れ!! 」


『…。』


応答は無い。



『アイツは一体…何なんだ……。』


あまりの虚しさに、思わず『ハハッ…』と笑いながら涙ぐむ壱春…。


いつの間にか後ろに立っていた美波が、『ポンッ』と肩を叩き…声を掛ける…。

「春坊…ドンマイ! 」


そう言いながらウインクする美波を見て……

壱春は無意識に、一粒の涙を流していた…。




+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。