晩御飯第2話
「こんばんわ。」
千秋の家の玄関を開け、千秋の母『沢尻京子』《さわじりきょうこ》に、挨拶をする壱春…。
朝は、よく挨拶を交わすが、夕方…晩御飯時に顔を合わすのはかなり久しぶりだ。
「いらっしゃーい。さぁ、入って入って! 」
靴を脱ぐと同時に…壱春の背中を押し、リビングへと連れていく京子さん…。
相変わらずこの人は元気が良すぎる。
…リビングのドアを開けると、
「おっ!? 壱春やっと来たな!!」
食卓の椅子に座りながら笑顔で迎えてくれる、千秋の父、沢尻陽介が、ビールを片手に手招きする。
「まぁ座れ座れ! 」
「どうもお邪魔します。陽介さん。」
挨拶をし、隣に座る。
「おいおい! 『陽介さん』じゃなくていつも通り『おっちゃん』でいいぞ? 」
「それって…小学生の時の話ですよね? 」
苦笑いする壱春に『あははっ!』っと豪快に笑い声をあげ、笑顔を向ける陽介。
『京子さんも、陽介さんも本当に元気な人だ。』
そう思いながら、
「あれっ?…千秋と美波先輩は、晩御飯食べないんですか? 」
京子さんに聞いてみる…。
今の時間は7時、だが今は京子さんと陽介さんしかいない。
「美波はもうそろそろ帰ってくると思うけど、千秋は自分の部屋にいるから、呼んできてくれるかな? 」
京子の言葉に、『わかりました』と返事をし、壱春はリビングを出る。
…階段を上がり、『千秋』と書かれたプレートが貼られているドアの前に立ち、ノックして声をかける。
「千秋ー…。」
「…」
返事わない…。
「……入るぞぉー…。」
ドアを開けたと同時に千秋と目が合う。
「あっ、開けて、いっ、良いなんて、言ってないでしょ! 」
「…それは謝る。 ………………ところで慌てて何を隠したんだい『千秋さん』。」
一歩詰め寄る壱春に、『ヒイッ!』と表情が青ざめる千秋……。
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