修学旅行2日目 第7話
「ほらほら千秋ぃー…壱春君と間接キッスゥーー!!!」
スプーンを持ったまま固まっている千秋に、またも耳元で呟きながらニヤニヤ笑う奈緒。
「ハルちゃんと間接キスなんて…しないもん。」
「あらそぉー…それなら…定員さん呼んで取り替えて貰った方が良いねぇー。そのスプーン!」
「……っ!ダッ!ダメ!!」
千秋の声は間に合わず、奈緒はコールボタンを押す。
すると直ぐに定員が来てテーブルの横に立った。
そして奈緒は手を上げ、千秋の持つスプーンを見ながら口を開く。
「すいませんけどぉー、スプー…」
「なっ!生1つっ!!」
「「「……………はいっ!?? 」」」
奈緒に追い詰められテンパり過ぎた千秋の予想外の言葉に、全員の視線が自然と千秋に集まる。
壱春達と同じ様に千秋を見ていた店員が『コホン』と1つ咳をして、作り笑顔で話しかける。
「えっと…『中学生?』にお酒は出せません。」
その店員の発言に、壱春はコーヒー、健太はミルクティー、柚先生は生ビール…そして残りの広幸と奈緒と梨沙の3人はパフェを、笑いと共に一斉に吹き出し皆が慌てて口を押さえていた。
…。
店を出て歩き出す千秋に壱春が満面の笑みで話しかける。
「それにしても良かったな千秋っ! 気を使って『中学生』って言ってもらえてっ!!」
「…ふんっ!!」
道の脇に落ちていた空き缶を投げつける千秋。
「イタッ?!!」
壱春が特に避ける必要も無く、それは健太に直撃する。
「この距離で外すか普通? ある意味才能だなー!? 」
「…うるさーいっ!!」
またもや満面の笑みで喋り出す壱春に、次はレンガを手に取り投げつける千秋。
勿論コレも避ける必要は無く、またも健太に直撃する。
「ぬわっ!!?」
ふらつきしゃがみ込む健太を横目で見て今度は少し真面目な顔で話しかける壱春。
「…千秋。ケンタまでアホになったら、俺の回りはアホだらけになっちまうだろっ!!」
その言葉に広幸が真っ先に反応する。
「あれっ!?壱やーん…何だか俺……急に涙がー………。」
目に涙をためる広幸と…涙を流す千秋。
『ヤバイっ!からかい過ぎた!!』
と壱春が思うよりも早く千秋は無言でその場を走り去る。
「「……。」」
「千秋さん…泣いてたね。」
「うっ!!」
梨沙の言葉に壱春の心が痛む。
「おいサンタ。ここら辺は昼間でもチャラチャラした奴が多いから早く追っ掛けた方がいいと思うぞー? 」
柚先生の言葉に壱春は一瞬考えながらも向きを変え、軽く手を振りながら走り出す。
「………悪いけどちょっと行ってくるから、そこら辺で時間潰しててくれー!」
そう言って千秋の走って行った方へと壱春も向かった。
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