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  春風 作者:給湯器
始業式 放課後第3話

「壱春は、どうして、今日、弁当、なんだ? 」

「母さんに、伝えるの、忘れて、たんです。」

…壱春と柚先生、2人とも口に食べ物を含みながら喋り出す。

「間抜け、だな。」


「修学旅行の、しおりに、寝タバコ、しちゃう柚先生より、マシだと思い、ますけど? 」

「ウッ…。」


柚先生は咳き込み、壱春を睨む。
壱春は弁当を食べ終わり、微笑しながら入れてもらったお茶をすする。



「サンタ…なんかお前、根性が曲がってるな!? 彼女いないだろ? 」
『ブゥーーーーッ!』

「汚ないなー!ちゃんと拭きなよ?! 」


壱春はニヤニヤ笑う柚先生を見ながら、吐き出した机の上のお茶を拭き取る。

「別に、柚先生には関係無いじゃないですか! 」


「まぁ……それもそうだな!」


綺麗な顔を、クシャッとくずした笑顔で『アハハ』と笑う柚先生ににつられて…壱春も自然と声を出して笑っていた。


修学旅行のしおりを教職員室に運び、壱春の『罰』が終わる。


「サンタ! 明日は遅刻するなよ!?」


教職員室を出る時、普段より大きな声で、柚先生が話しかける。
他の先生にジロジロ視られる中、壱春は会釈をして扉を閉める…。


「わざと、大きな声で言ってたなアレわ…。」

そう愚痴をこぼしながらも、下駄箱に向かう壱春の足どりは、自分が感じるよりもずっと軽やかだった。
ソレはやはり、無意識の内に柚先生の言葉や態度に対する、考え方、感じ方、とらえ方が、壱春の中で変わったからかも知れなかった…。

そしてソレを同じように、柚先生…『遠山柚希』も感じていた。









下駄箱で靴を履き替え、校門を出る時…

「春坊ーーっ! 」

美波の声が聞こえ…振り向くと、すぐ横を千秋が一緒に歩いているのがわかる。




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