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第11話:ナイトミッション

更新大幅に遅れて申し訳ありませんm(_ _)m

進路やらテストやらがかぶさっていたもので……。


これからも応援よろしくお願いします!

 今の時刻は夜中の10時半。なのにも関わらず俺は夜道を全力で駆け抜けている。もう力尽きても走る勢いだ。

 なぜ走っているかだが、こんなことが先ほどおこったのだ。


―――――――

――――

――


 俺が自室のベッドに寝っころがって本を読んでいると、すぐ近くに置いていたケータイが鳴り響いた。

 本から目を離さずに手探りでケータイを取り、メール内容を見る。


《お前の秘密をバラまかれたくなければ、今すぐ学校に来たまえ。K&Rより》


 ・・・。

 KとRはイニシャルで名前を伏せたのだろうが、とりあえず片割れは海斗だな。だって、このアドレスは海斗のPCだし。バレバレだ。


 もう片割れのRは瑠奈かと思ったが奴は家にいるから違う。多分……。そのまま無視してケータイを閉じようとしたら添付ファイルに気づき、展開してみた。


「えーと。………っ!!」


 俺は言葉を失った。

 うん、なにが送られてきたかなんだけど、こないだのヌードデッサン事件で海斗に写真を撮られた時の場面だった。それだけならば特に気にしない写真なのだが、これは違う。

 合成やら見分けにくいCGやらの技術をたくさん使われている。簡単に説明するとこんな感じ。


 まず上半身裸の俺。そして左手には瑠奈が、右手には綾乃が。真正面には凛先輩がいる。さらに、瑠奈は顔を適度に赤められ、綾乃は多少嫌がっている顔、凛先輩に至ってはブラウスのボタンが完全に外れており、胸元の白い悪魔がはっきりと目撃できる。


 つまり、【俺が綾乃と瑠奈と凛先輩を襲っている】という場面なわけだ。ねつ造もいいとこだ。真実は俺が奴らに押し倒され……ゴホゲホ!


「ちっ! こんな画像バラまかれてたまるかよ!」


―――――――

―――――

―――


 てなわけ。

 下手すりゃ退学どころか警察沙汰になりかねない。だから走っているのさ。

 そうこう説明しているうちに、学校へ着いた。


 閉まっている門を乗り越え、誰もいない夜の校庭を突っ切っていると二人の影が目に入った。その二人に声をかける。


「約束通り来たぞ海斗」


「ちっ、来やがったか。せっかく数百枚プリントアウトしたのに」


 海斗の手には十数cmのプリントが握られていた。もし俺が学校に来なければ、俺は間違いなく黄泉の国へ旅立っただろうな。てか海斗の右頬に赤い手形があるのは何故だろうか?

 そんな疑問を頭に浮かべながらメールにRと書いてあった人へ声をかける。


「露出趣味ですか? 凛先輩」


 今この人は猫耳にスク水という訳の分からないスタイルで立っている。どこから突っ込むべきか悩む。


「ん〜ん。竜ちゃんの野生を確かめたくて♪」


 残念ながら我が野獣はキチンと統率がとれているのだ。俺がそのまま二人を見ていると、凛先輩は隣にいる海斗の頬を指差した。


「他の男が野獣になったらこうなんだけどね♪」


 野獣化したんだな海斗……。


「まぁいいや。とりあえず要求通りに来たんだから、ネガをよこせ」


「それは出来…」

「それは出来ない相談よ!」


 海斗が言い終わる前に凛先輩が口を挟んできた。


「もしや、他になにか企みが?」


 怪しいものを見る目つきで海斗と凛先輩を見る。するとまた海斗が、


「その通…」


「その通りよ!」


 またもや海斗が言い終わる前に凛先輩が言い放つ。さすがに2回言葉を阻止されたのは堪えたのか海斗は俺に背を向けてしゃがみ、見るからに落ち込みオーラを出しながら土を掘り始めた。

 しかしそんなことは気にしない凛先輩(俺も)は話の続きを語りだした。


「次なる要求は、《平成のイエス・キリスト》になってちょうだい♪」


「《平成のイエス・キリスト》?」


 あいにく俺は宗教とかに大して知識が無いから適当なんだが、迫害やら軍隊やらを退けることが出来ながらも、最も信頼していた弟子の一人に裏切られてしまった可哀想な人だよな。

 さて、どうやってそのキリストみたいになれと?


「十字架を持ってくるから磔に♪」


「全力でお断り致します」


 この人なら本当にやりかねないから恐ろしい。


「とりあえずネガは返してもらいますよ」


 俺はいまだに地面を掘り続けている海斗の肩に手を回し、身体検査をするようにパンパンと叩き始めた。


「……変なとこ触るなよ」


「お前みたいな奴なんて触りたくもない」


 俺は我慢しながら奴の全身を探す。だが、フィルムらしきものは見つからなかった。


「おい、ネガはどこにある」


 多少焦りが混じった声で声を出す。すると海斗ではなく凛先輩が、


「ネガは部室にあるわよ」


 そう言ってくれた。だが瑠奈と同等、いやもしかしたら上回るかもしれない嫌な笑みを浮かべている。

 そして俺の第六感が告げている。これは《罠》だと!

 しかし我が道に後退は無し。後退すれば校門やら職員室前やら人目がつく所にとんでもない写真が貼られてしまう。


「じゃあ部室に行ってきますから」


 俺は踵を返し、一目散に部室へと向かった。 部室の前に着き、これから先何が待ち受けているか分からないので息を整え始める。……なぜ学校内でこんな目にあわなくてはならないのか疑問ではあるが。

 完全にいつもの呼吸速度になったのを確認し、部室の扉をあけて中に入った。


 本当は明かりをつけたいのだが、もし周りの住民に目撃されて通報されてしまっては元も子もないので明かり無しの手探り状態でやらなくてはならない。

 まぁ闇に目が慣れてきたからある程度は判断できるようになってきたがな。


「お、目的の物はっけーん」


 デッサン用の道具が入り乱れて置いてあるテーブルの上にあからさまな形で置いてあったネガをみつけた。そのネガを手に取り早々と部室を後にしようと反転した時、腹部になにかが突進してきた。

 俺は反転したというのもあり、耐えることもできずに後ろへ倒れた。そして後頭部を強打した。すげぇ痛い……。


「えへへ〜」


 突進してきた存在。それは皆の予想通りの存在である凛先輩だった。どうやらネガを取って安心した隙を狙うつもりだったようだ。

 凛先輩は俺に覆い被さるようにして密着しているため、胸にやけに柔らかい感触を受ける。

 まずい! 我が野獣が暴れ出す!


「とりあえず離れて下さい!」


 凛先輩の体を軽く横にずらし、開いた隙間から這い出る感じで出、野獣を鎮静化させる。……よし、落ち着け俺のビースト。


「ちぇ〜、もうちょっとだったのに♪」


「こっちは精神力を使い果たしましたよ……」


「(ふむふむ。竜ちゃんはこういう路線に弱い……と)」


「? なにか言いました?」


 細く白い親指と人差し指で顎を挟むように考えごとをしている凛先輩にいう。


「う、ううん気にしないで。それよりもう学校から出ましょ。この格好、結構恥ずかしいのよね」


 なら最初から着るなよ。なんて口から出すことができない自分を呪いながら、俺と凛先輩の二人は学校を後にした。


 そして翌日。

 ネガも取り返したので安心しながら綾乃と瑠奈と登校していると、正門前に教師陣と生徒陣が群がっているのが目に入った。そして俺の姿を見たクラスメートBは、正門に貼ってある紙を破いて俺の前に持ってきた。


「おい天宮! こんなことしてたのかお前!」


 そいつは俺の目の前に紙を突き出しながら言った。そしてそれを見た綾乃と瑠奈が、


「っ!? なにこれお兄ちゃん!」


「竜兄! 納得のいく説明して!」


「う……そ、それはだな」


 俺は明らかにやる気、いや殺る気を出している綾乃と瑠奈から離れようと後ずさりをする。

 貼られていた紙の内容。それは《暗闇の部室内、凛先輩が仰向けの俺に乗っかっている》という際どい写真が掲載されていた。


 俺は半ば挙動不審に陥りながらも逃げ道を探すために辺りを見渡す。すると、これ以上無いってくらいの満面の笑みを浮かべた海斗を発見した。そして奴から放たれた一言。


「凛先輩の注文したタイミングによる赤外線撮影! 我が新聞部は無敵なりぃ!」


 それに触発されたのか、綾乃と瑠奈は『負けてられるかぁ!』と口走りながら俺に攻撃を仕掛けてきた。

 いつも通りの青空、いつも通りの白い雲を見上げながら、俺は叫んだ。


「俺に普通の学校生活はできないのかぁあ!!」




 後日談であるが、あの後俺と海斗と凛先輩は校長室に呼ばれ反省文を書かされた。

 なんで俺まで……。涙が止まらないよ、お母さん。

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