人魚姫のその後
世界が止まった。
手が震える。
数拍のちに気付く。
私は大切な人に裏切られたのだと。
あるところに、人魚のお姫様がいました。
そのお姫様は、十五歳の誕生日に、人間の王子様に恋をしてしまいました。
人魚のお姫様は、人間になるために、自分の美しい声と引き換えに、
人魚の魔女から、人間の足を手に入れました。
しかし、それは、王子様がほかの女性と結婚すると、
人魚のお姫様は泡となって消えてしまう、という契約付きのものでした。
しかし、王子さまは、人魚のお姫様のことを妹のようにしか思っておらず、
かわりに別の女性と結婚しようとしました。
人魚のお姫様のお姉さんたちが、人魚のお姫様にナイフを渡し、
このナイフで王子様の心臓を刺せば、元の人魚に戻れる、と言いました。
しかし、人間の王子様を愛してしまった人魚のお姫様は、どうしても彼を刺すことができませんでした。
やがて、結婚式の日の朝、人魚のお姫様は泡となって消えてしまいました。
しかし、この話には続きがあったのです。
人魚のお姫様の美しい声はどうなったのでしょうか。
それは、人魚の魔女の孫娘のものとなっていました。
孫娘が、十五歳になったときのこと、彼女は浜辺で、別の国の人間の王子と出会いました。
王子は、その美しい魔性の声に魅入られて、孫娘は王子の凛々しさに魅入られて、二人は恋に落ちました。
孫娘は、祖母から人間になる薬をこっそりと盗み、人間となって、王子と結婚しました。
これは、その何百年もあとの、人魚の末裔となった者の物語。
今回は、初の洋風に挑戦してみようと思っています!!
ヒロインは、見た目は超クール、心はホットな人魚の末裔、フレヤ王女様です。
よろしくお願します!!