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終章独白。プロローグ。
逆白雪姫キッスよろしく生き返った僕は、死の概念と再会した。いや、これは間違いだ。死の概念と再会した僕は生き返った、と書すべきだろう。
霧島唯を守れなかった僕は、晴れて人間に戻ったというわけである。
あのあとアナーキーがどこに行っていたかと言うと、彼はやっぱりアンチロジック本部に戻っていたらしい。
観測者を除く、あらゆる能力者を効き腕側の半身麻痺、もしくは下半身不随の極刑を与えた上に、回復系の能力者に、口約束で『これから一生能力を使わない』ことを誓わせたらしい。もちろん上條朱音も含む。口約束だけれど、きっとこれは守られる。破ったときのペナルティとして、四肢を順番に切断したあと、切り口に細かく切ったトウガラシを塗りたくるらしい。アナーキーは地球のどこにいても、いや、宇宙のどこにいてもそれをやってのけるはずだから、きっとそれは口約束ではなくて脅迫なんだろうけれど。
僕は何も思わないどころか、良い気味どころか、良い様だとさえ思っている。
文字通りの半殺しは、文字通りの全殺しよりも残酷で、残忍で、悲惨な結果をもたらす。
それだけなのだ。
同情の余地もない。
僕は彼女らを許さないんだから。

そのあとアナーキーとはそれなりの頻度で会う。と言っても、あの日からまだ一週間も経っていないし、普通に入院している最強に、僕が自ら会いに行ってるのだけれど。しばらく経てばそんな関係にも終止符が打たれるかもしれないし、そのままなのかもしれない。とにかく霧島唯に関しては、何故かアナーキー自体も責任を感じているらしく、先日彼が言ったように、色んな形で『被害者に尽くして』いる。ちなみに病院のベッドでも彼はお面を外さない。

ストーカーもとい、観測者たる楓は、僕のストーカーを辞め、その代わりに僕のアパートよりはそう遠くはない場所に、毎日湯水の如く使っても底が尽きない資産の一部を消費して、それなりの一戸建てを構えると言っていた。ちなみに彼女の家が完成すると、アナーキーは彼女の家に引っ越すらしい。入院費用も彼女が出してくれている。

霧島唯は、あれから一度も能力を発揮することなく、平々凡々に暮らしている。平凡と言っても、彼女は僕の家に住み着いているのだけれど。あの事件のあと、彼女は僕の家に泊まって、僕の涙ながらの必死の謝罪に、鬱陶しそうにしながらも一晩中付き合ってくれて、それからそのあとそのまま住み着いた。

かく言う僕は、酷く痛む筋肉痛と、夏休みから今までという短い期間で染み付いた、不死身の慣習と戦いながらも、痛みとダルさに感謝しつつ、霧島唯に圧倒的な罪悪感を抱きながら、毎日を平凡に過ごしている。

終わりと始まりは同時に起こる。
だからまた、これから始まるのだ。

僕の懺悔の日々が、これから始まる。

霧島唯が笑って生きていけるように。そんな偽善を掲げながら僕は生きる。
バッドエンドを生き続ける。
不死身ならともかく、僕は多くてもあと八十年前後で死ぬのだから、幸運にも忘却という免罪符は配られない。

だから僕は死ぬまであの日のことを忘れない。
だから僕は死ぬまで霧島唯のことを忘れない。
だから僕は。
だから僕は、彼女を守れなかったことを、死ぬまで後悔するんだろう。

僕は、後悔して、苦悩して、懺悔して、生き続ける。

再び手に入れたデッドエンドへの切符を使うその日まで。

いや、これも違うな。

途中下車して、再度乗車した僕が、デッドエンドの終点につくその日まで。

というべきだろう。

そういうことで、僕の不死身は終わりを告げた。
不死身の僕は殺された。

生物を辞めた僕は不死身になった。
不死身を辞めた僕は人間になった。

一つが終わって、一つが始まる。

だからこれもまた。
ただの始まり。

「ただ、それだけなのかな」

僕は一人で呟いた。
今までご愛読いただき、本当にありがとうございました。

小説を書くのは、このノンロジックが初めてになります。
どうでしたでしょうか。約五十話に渡る、歪んだ性格の主人公と、作者的には奇をてらうというか、あまり王道にならないように組み立てたつもりの物語。
少しでも何か思ってもらえたでしょうか。
少しでも何か考えてもらえたでしょうか。
感想で叱咤していただければ、次に公開する予定の作品に活かします。
自分的には大満足のこの物語、読者様の目にはどう映りましたでしょうか。
わずかでも感想を残してもらえれば、涙を流して喜びます。

ええと……、あまりに達成感がありまして、なんというか、ここでは語りきれません。
ぐだぐだになりそうなのでここいらで切ろうと思います。
あぁ、そうでした。外伝をいくつか考えておりますので、これからもよろしくお願いします。こんな話聞きたい、みたいな要望がありましたら、感想でも、メッセージでも、とりあえず伝えていただければ、プロットの都合に問題が無ければ反映します。
ここまで書けたのは、まぎれもなく読者様のお陰です。
「つまらねえ」と呟いて戻るボタンを押した方にも、「読んでやろうか」と呟いてページを進めてくれたあなた様にも、心からの感謝の念を伝えたいです。
本当にありがとうございました。
それでは最後になります。

ここまでご愛読いただき、本当に、本当にありがとうございました!

ノンロジックは、完結しました。
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