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20・・・仲直り
 修学旅行―。リオは、美羽と自分、松本、早坂、そのほかに男子二名と女子二名という強引 なメンバーと人数で修学旅行用のグループを作った。またしてもリオと優弥ペア、早坂とカレンペアというカップルで一緒に行動することになったので、クラスの仮のグループは人数が多くて都合が良かった。


 あれからリオは優弥との関係を元に戻した。リオは三日ほど優弥を避けていたが、結局金曜日が来る前に急に絶えられなくなって、つい学校の廊下で優弥の背中に頭をり付けてしまった。
 もう、リオにはそれが限界だった。優弥と喧嘩していた数日間リオはずっと意気消沈したままで、夜になると独りベッドの中ですすり泣いた。
 優弥の心持ちはどんなものだかリオにはうかがい知る事もできなかったが、リオが擦り寄って行った時、優弥は振り返って優しくヘッドロックをかけてきた。
 そしてリオの手を引き、そのまま誰もいない暗い資料室に連れて行った。

 扉を閉めると、優弥はリオを冷たい床に猛然と押し倒し、その体を激しく貪った。
 リオは夢中で優弥にしがみつき、されるがままにその快感にただ身を任せた。
 もう、細かい事はどうでも良かった。優弥の言う事を素直に聞いて、優しくしてもらえるのならそれで良かった。リオの心には小さなしこりが残ったが、もう男と二人っきりにならなければいいのだ。怜にもそう薦められた。そうすれば、二度とあんな思いもしなくて済むだろう。普段の優弥は至って優しいのだから・・・・・。リオはそう自分に言い聞かせた。

 結局のところ、リオは優弥が好きだった。必要だった。もうすっかり、そうなってしまった。友達でいた頃の自分には、決して戻ることはできない。

「好きだ・・・・・。」
 行為が終わると、優弥はリオの髪を手できながら目を閉じて囁いた。リオは涙で崩れきった顔を向け、キスをすることでそれにこたえた。
 二人は抱き合って繋がったまま、いつまでもそうしていた。いつの間にか休み時間は終わっていた。


 優弥との事で悩みつつも、リオはBloody Dollsの事は忘れなかった。早くメンバーの中に溶け込んで、バンドの活動の流れに乗りたかった。早くあの中で音を出したい、ライブをやりたい・・・・・。やっと自分のやりたかった音楽が出来るのだ。それに、あの怜と一緒にツインでギターが弾ける。毎週スタジオで会えて一緒にライブも出来る。リオにとってこんなに刺激的つ魅力的な事はない。怜はリオの憧れの先輩であり、優しい兄であり、ライバルでもあるのだから。


 関西方面に修学旅行に出発したリオたちは、一日目、京都で金閣寺や二条城などを見学した。
「全っ然ロックじゃねえな〜。」
 日本特有の文化がたっぷりの景色を眺めながら早坂が言った。
 二日目、京都から大阪のホテルまで班行動。全くクラスのグループと別行動でも問題なので、この日はリオや早坂も班行動に加わった。夜、優弥とリオはホテルを脱走して密会する。帰ってきたところを教師に見つかりさんざん説教された。
 三日目、USJ見学。ここはカップル同士の四人で見学。ハードロックカフェに入り、カレン以外の三人は展示物に興味津々。「ここに住みた〜い」とリオ。一階のロックショップでしこたまおみやげを買い込む。リオは優弥とお揃いでお店のロゴ入りTシャツを買い、店内の風景をバックにたくさんの写真を撮った。
 四日目、ミナミ難波を昨日の四人で見学。昼食はもちろんお好み焼きだ。「あたしは毎日これ食べろって言われたらカンベン」とカレン。アメリカ村でまたしても買い物。夕方六時に新横浜に到着し、夜帰宅した。

「ユニバーサルスタジオジャパンが一番面白かったかな。」
 リオのベッドで横になりながら優弥が言った。
 修学旅行の最終日、ちょうど金曜日でママが不在だった。娘が久々に帰ってくる日くらいいてくれてもいいのにとリオは思ったが、おかげで優弥は例のごとくリオの家に泊まることができた。優弥の両親には明日まで修学旅行だと言ってあるとのことだった。

「リオはハードロックカフェかな。」
 リオがギターを弾きながらそう言うと優弥は、
「でもあの店、上野にもあるぜ?」
 とがっかりするようなことを言う。

「・・・早くこっちに来いよ。」

 熱っぽい目で優弥にそう言われて、リオは時計を見た。今、午後十一時。
 三時間くらいギターを弾いていたかった。修学旅行に行っていたお陰で三日もギターに触っていない。でも、優弥がいるのにヘッドフォンを着けて弾くのも気が引ける。

(優弥が寝てからにするか・・・。)

 リオは仕方無しに立ち上がると優弥と一緒にベッドに潜り込んだ。リオと優弥にとって三日ぶりの行為は「ご無沙汰」だった。
 結局その日、リオはギターを弾くことはで出来なかった。