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第八百六十九話 そのタイの唐辛子
第八百六十九話  そのタイの唐辛子
「青い唐辛子が食べたいの?」
「ああ、そうなんだ」
「いいかな?」
 フランスとセーシェルは早速タイに来ました。そうして彼に御願いしています。
「何かそういうのがあるって聞いてな」
「どんな感じなの?」
「美味しいよ。とても凄くね」
 タイはその二人に対してにこりとしたいつものスマイルを浮かべて答えました。
「それじゃあすぐにね。出すから」
「ああ、どんな料理なんだ?」
「私凄く楽しみにしてるからね」
 二人は今はとても明るい顔でした。タイもとても明るい顔です。その料理を待つ間に他のタイ料理を食べながら二人であれこれとお話をしています。
「何かタイさんのお家のお料理も」
「ああ、美味いな」
 フランスも認める美味さでした。
「まあ俺の味に比べたら落ちるがな」
「けれどこれはこれで美味しいですよ」
 セーシェルはもうがつつく感じになっています。とにかくかなり美味しいのは間違いないです。タイのソーセージも麺類も何もかもがかなり美味しいです。赤い唐辛子とコリアンダー、それにナムプラーでの味付けが見事です。
 その見事な料理を楽しんでいるとやがてタイが戻ってきました。その手にあるのは。
「はい、これですよ」
「おお、遂に来たか」
「それが青い唐辛子を使ったお料理なんですね」
 二人は今天国に着いたとさえ思いました。ところがそれは大きな勘違いでした。天国でありながら地獄でもある、そんな恐ろしいものを見ることになるとはこの時は全く思ってもいないのでした。


第八百六十九話   完


                 2009・8・16
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