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第八十四話 昔々のイギリス
              第八十四話  昔々のイギリス
 何かと孤独な傾向の強いイギリスですがそれは昔からでした。この時も友達を連れて一緒に歩いている宿敵フランスに対して言われていました。
「よお、友達いないイギリス君じゃないか」
「う、五月蝿い!」
 そのフランスに対して何とか言い返します。
「喧嘩じゃ俺に勝てない癖に!」
「何ィ!?この前の百年戦争勝っただろうが!」
「それだけだろうが!」
「獅子心王の時はどうだよ!」
 こうしていつもの喧嘩です。とかくフランスと喧嘩ばかりです。たまりかねた彼はまずは家に帰りませんでした。
「ちっきちょーーー、ヨーロッパにいるとすっげえすさむよな」
 かなり自分にも責任はありますがあまり自分のことは考えていません。そんな彼がいつも行くのはアメリカの家でした。そこにはまだ子供のアメリカがいたのです。
「イギリス、また来てくれたんだ」
 犬の相手から彼に顔を向けて尋ねます。まだ随分と幼いです。
「ああ、元気だったか?」
 イギリスは屈んで彼の頭を撫でながら声をかけます。
「悪いな、中々来れなくて」
「いいよ」
 けれどアメリカはそんなイギリスを笑って許すのでした。
「こうして来てくれただけでも嬉しいぞ」
「そうか」
 それを聞いてさらに上機嫌になるイギリス。にこにこと笑ってアメリカにまた言います。
「御前といると何かすげーー和むよ」
「本当?」
「本当さ・・・・・・んっ!?」
 ところがここで気配に気付いて壁の方を見てみると。
「・・・・・・げっ」
 フランスが覗いていました。そこからにやにやと笑いながらイギリスを見ているのでした。やっぱりそうそう和めないイギリスでした。


第八十四話   完


                2008・3・7
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