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第七十五話 生きていたとは
               第七十五話  生きていたとは
 何とそこにいたのは。全く予想していなかった出来事が。
「それは誰のことですか?」
 ジャンヌがいました。あの時のままの姿で。フランスの驚くことといったら。
「っておい、何でいるんだ!」
 ジャンヌを見て叫びます。
「死んだんじゃなかったのか!」
「死んだ?誰が」
 ジャンヌはそう言われてもピンと来ない顔をして首を傾げています。
「私は少しいなかっただけですが」
「けれどイギリスの野郎に捕まってよ」
「逃げ延びたのです」
 しかしジャンヌはこう答えるのでした。
「逃げ延びたぁ!?」
「そうですよ。だって私は」
 ここでこれまたフランスが忘れていた衝撃の事実が。何か日本よりもずっと若い筈なのに記憶力が可哀想なことになっているような気がしないでもないですが。
「聖女なのですよ」
「ああ、そうだったっけ」
 やっぱり完全に忘れていました。
「そういえばそうだったな」
「そうです。だからこそここにいるのです」
「そうか。しかしよかったよ」
 フランスはジャンヌを見ながらあらためて笑顔になりました。
「生きていてくれたんだな」
「ええ」
「それでな、ジャンヌ」
 立ち上がって彼女にまた声をかけます。
「ずっとうちにいるのか?」
「勿論です」
 にこりと笑ってフランスに答えるのでした。
「私はその為にいるのですから」
「そうだよな。それじゃあこれからも」
「はい、宜しくお願いしますね」
「こちらこそな」
 こうして思わぬ形でフランスのところに帰って来たジャンヌ。フランスにとって有り難い助っ人が戻って来たのでした。


第七十五話   完


                 2008・3・6
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