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第七十四話 声の主は
                第七十四話  声の主は
 かくして上司に言われてやっとジャンヌのことをようやく思い出したフランス。しかし彼は忘れていたことをずっと悔やんでいました。悔やんでも悔やみきれません。それでこの日も家の中にあるジャンヌの本を見て後悔に苛まれていました。ところがここで何処からか謎の声が聞こえてきました。
「一体何をそんなに悲しんでいるのですか?」
「そりゃよ、あんた」
 フランスはその声に応えます。
「俺は気付いたんだよ。自分の馬鹿さ加減に」
「馬鹿さ加減に?」
「そうさ、俺は馬鹿だった」
 声の方を振り向かずに言います。
「ずっと忘れていたんだからな」
「忘れていた?誰を」
「だからよ」
 やっぱり声の方を振り向きません。何をやっているんでしょうか。と思ったらずっと本を読んでいます。こう見えても中々読書家で本が好きなようです。その横にワインを置いているのはさりげないお洒落なのでしょう。
「俺の為に戦ってくれたあいつのよ」
「あいつっていいますと?」
「だからよ」
 ここで声の方を振り向きました。やっとです。
「あいつだよ。俺の為に戦ってくれたジャンヌをよ」
「ジャンヌですか」
「そうだよ。一体何処に行っちまったんだ・・・・・・って。えっ!?」
 振り向いたその先にいたのは何と。さて誰なのか。


第七十四話   完


               2008・3・6
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