第六百八十九話 流石に負けました
第六百八十九話 流石に負けました
さて、圧倒的な数の相手を前にしたナポレオンとフランス。まだロシアでの惨敗の痛手は消えていません。そう簡単に消えるものではありませんが。
「しかも向こうの総司令官はです」
「スウェーデンの上司だな」
「はい、前俺の家の将軍だったあの人ですよ」
その人をスウェーデンの上司に送り込んだのが他ならないナポレオンでした。ところがこの人はナポレオンの為でなくスウェーデンの為に働いているのです。スウェーデンにとってはいいことですがナポレオンにとってはたまったものではありません。
当然その人だけでなくオーストリアさんにプロイセンにハンガリーにロシアにそのスウェーデンに。とにかく物凄い面子です。フランスはこれでもかという程敵を向こうに回してしまっています。
「しかしだ。我々も数は集めた」
「はい」
「そして私がいる」
ナポレオン自身のその軍略についても自信がありました。
「だからだ。絶対に勝つ」
「そうですよね。確かにロシアじゃ負けましたけれど」
このことは流石に隠せませんでした。変に鼻っ柱の強いフランスでも。
「きっと勝てますよね、絶対に」
「そうだ。だから安心して戦え。いいな」
「この戦いには俺の全てがかかってますからね」
それだけまずい状況なのも事実です。フランスにとって。
「やってやりますよ。本当にね」
「私もだ。全てを賭けて戦う」
ナポレオンにとっても正念場でした。こうして今本当の意味での彼等の生きるか死ぬかの戦いに挑むのでした。少なくともナポレオンにとっては。
第六百八十九話 完
2009・4・19
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