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第三百八十九話 ふと目に入ったお花
             第三百八十九話  ふと目に入ったお花
 さて相変わらず日本のお家で台風を楽しんでいるイタリア。閉めきられた窓の中でドイツとその日本と三人であれこれとお話に興じています。
「それでさ、あの時ね」
「あの時は参った」
 ドイツがイタリアの横で苦い顔になっています。
「こいつがイギリスに降伏して泣きついてな」
「あれっ、それが普通じゃないの?」
「普通なわけがあるか」
 ムキになった顔でそれを否定します。
「例え降伏しても誇りは忘れるな」
「そんなことを言ってもさ」
「まあ御二人共落ち着いて下さい」
 日本がいいタイミングで二人の間に入ります。
「ところでこの缶詰は美味しいですか?」
「うん、とても」
「いけるな」
 見れば鯖の味噌煮やアスパラガスなんかを食べています。
「日本って缶詰もいいんだね」
「中々参考になるな」
「そうだね。・・・・・・んっ!?」
 ここでイタリアはあるものに気付きました。それは。 
 花瓶に入れてある一輪の花です。淡い紫色で連なって咲いているそのお花は。はじめて見た筈なのに何故か懐かしい感じがしたのです。
「このお花って」
「どうかしましたか?」
「あっ、うん」
 日本の問いに応えます。
「おかしいな、何処かで見た気が」
「何処かで」
「うん。何処だったかなあ」
 イタリアは記憶を辿りはじめます。彼の中で何かが動こうとしていました。


第三百八十九話   完


                  2008・10・11
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