第三百四十九話 韓国式オテロ
第三百四十九話 韓国式オテロ
上演は続きます。それはオーストリアさんのお家の人の指揮、上演とは全く違います。けれどその内容はそれに匹敵するものでした。
「何だよ、この舞台」
シェークスピアの地元であるイギリスも唖然としています。そのあまりもの質の高い上演に。韓国の式はドミンゴの歌に沿い離れません。あくまでオテロを立て、それでいてかれを包み込んでいるのです。
「オーストリアのやつも凄かったがこれもかなりのものだぞ」
「そうだろ。俺はあいつがバスティーユを選んだ時点でやると思っていたんだよ」
「あそこでか」
「ウィーンを選んだら多分ここまではなっていなかったな」
こう断言さえするフランスでした。
「ここまではな」
「なっていなかったか」
「ああ、絶対にな」
ここでも断言でした。
「なっていなかった。ウィーンならオーストリアの家のそれの二番煎じになっていたな」
「そうか」
「けれどあいつはバスティーユを選んだ」
フランスはあくまでそこを指摘します。
「歌手のドミンゴは今最高のオテロ歌いだがな。それだけじゃねえんだよ」
「オーケストラもか」
「そうさ、あいつはわかっていたんだ」
我を捨てて指揮を続ける韓国を見ます。
「オテロのことが何もかもな。だからこそのこの演奏さ」
「ただの馬鹿じゃなかったのかよ」
「こんなのできるのは天才か。それとも」
そして言います。
「天下無双の大馬鹿野郎だけだ。やってくれたぜ」
韓国の指揮と演奏は続きます。そしていよいよクライマックスを迎えるのでした。
第三百四十九話 完
2008・9・22
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