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第三百三十九話 黒一点
                第三百三十九話  黒一点
 皆は妹ですが一人だけ違う人がいました。それはハンガリーです。彼女は言うまでもなく女の子なのですが彼女だけは妹がいないのです。
「兄なんですけれど」
「あれっ、お兄さんなんだ」
「はい、そうなんですよ」
 静かに笑ってイタリアに答えます。
「名前はフェケテ=ヘーデルヴァーデといいまして」
「実は僕がそうなんだよ」
 今までハンガリーの後ろにいたやけに明るそうな金髪に緑の目とハンガリーと同じ髪と目の色のお兄さんが言ってきました。どうやら彼がそのハンガリーのお兄さんのようです。
「いや、皆いつも妹によくしてくれてるようで嬉しいよ」
「その兄なんですけれど」
「ちょっと待ておい」
 イギリスが早速彼を注意します。見れば彼はイギリス妹に声をかけているのです。
「ねえねえ、今度よかったらさ。うちの家で紅茶でも」
「ハンガリーさんのお家も紅茶なのですか」
「紅茶でもコーヒーでも何でもあるよ、今はね」
「俺の妹に勝手に声かけんじゃねえよ、おい」
 しかもイギリス妹だけでなく他の皆の妹さん達にも次々に声をかけていきます。何故かロシア妹にだけは声をかけないのは危険を察してのことなのでしょう。
「まあこんな兄ですけれど宜しく御願いします」
「いや、どうもこの学校男ばかりでうんざりしていたら」
 ハンガリー兄はまだ女の子達を物色しています。
「妹さん達は美人揃いじゃないか。僕はとても嬉しいよ」
「もう、兄さんはいつもそうなんだから」
 何気に兄には苦労している模様のハンガリーであります。オーストリアさんとは正反対の彼については。


第三百三十九話   完


                 2008・9・17
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