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第二百七十九話 ケベック ☆
                第二百七十九話  ケベック
 カナダにも国歌があります。幾ら目立たないといっても国なのですから当然ながらあるのです。それで今日は皆で集まって歌っていると。
 何故か英語とフランス語になっています。とんでもなく仲の悪い二国の言葉で歌われるとなると。やっぱり深刻なトラブルになるのでした。
「おい御前等ちゃんと英語の歌詞で歌えよ」
 英語派が最初に文句をつけます。
「ここはカナダだぞ」
「嫌だね」
 しかしフランス語派も喧嘩腰にそれを拒みます。
「この歌はフランス語で歌ってこそ最高の響きになるんだからな」
「そうだそうだ」
「何ィ!?」
「ちゃんと歌えよ」
「あっ、どっちでも歌っていいよ」
 双方の間に囲まれた当のカナダは戸惑いながらこう言います。しかし喧嘩になるのでした。
「御前等この前そのフランスに変なフランス語だって言われたじゃねえか!」
「フランス語ってねえってな!」
「あんた手前やるのか!」
「受けて立つぞアングレーズ!」
「うわあああっ!止めてよ皆!」
 早速殴り合いの喧嘩です。カナダの制止も聞きません。こうしてこの騒ぎは発展しまくって新しい国ケベックができました。と思ったら。
「うわあああああっ!!って夢か・・・・・・」
 まずはこのことにほっとするカナダでした。
「夢で本当によかったああ!モントリオールだけは勘弁!」
 お隣さんだけでなく中でも悩みのあるカナダでした。受難は何処までも続くのでした。そう、何処までも何処までも。永遠に続くのです。


第二百七十九話   完


                2008・8・17
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