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第二百五十七話 ティーシャツ
                第二百五十七話  ティーシャツ
 最近スペインはよくティーシャツを着ています。
「いや、やっぱり夏は気軽でええわ」
 いつも呑気でお気楽な彼ですが夏になるとそれが余計にパワーアップするそうです。正装なんてせずにもうそんな気軽な格好で毎日を過ごしています。
 けれど問題はそのティーシャツのデザインです。何とそこに書いてある文字は。
『黙れ』
 一言です。見る人に喧嘩を売っているような言葉が書かれています。それを見てドイツはかなり呆れた顔でスペインに対して尋ねます。
「何だ、その言葉は」
「ああ、これな」
 スペインはドイツの呆れた顔に気付くことなくいつものペースで言葉を返します。
「うちの上司の言葉なんや」
「上司の?」
「ちょっとベネズエラの奴に言うたんや」
 こうドイツに説明します。
「騒がしいから黙れってな。それをそのままロゴにしてな」
「そうだったのか」
「どや、ええ言葉やろ」
 空気を読まずにドイツに賛成を求めます。
「俺結構気に入ってるんやけれどな」
「・・・・・・そうか」
 あえて突っ込まずにただ話を聞くだけに留めたドイツでありました。もう突っ込む気力もなかったのでしょうか。それとも暑さで弱っているのかも知れません。どちらにしろどうにも今日のドイツは静かでした。


第二百五十七話   完


                2008・8・6
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