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第二百四十五話 そして遂には
第二百四十五話  そして遂には
 王様は治療ということで幽閉されてしまいました。湖のほとりに僅かな人達だけをお供に。そこでの王様は静かですが沈んだ様子でした。
「やっぱり少し」
 ドイツはそんな王様の話を聞いて。唇を噛み締めて言うのでした。
「可哀想だと思うが」
「何言ってるんですか」
「そうですよ」
 けれど皆はドイツのそんな言葉も退けてしまうのでした。
「人とも会わないし夜にワーグナーばかり聴いて」
「薄気味悪いしおかしかったじゃないですか」
「本当におかしかったのか?」
 ドイツはそれでも思うのでした。
「あの人は本当に」
 王様が本当におかしかったのかと思うのでした。ドイツは王様とお話したことがあるのでその時のことを思い出します。記憶に残っている王様はロマンチストですが音楽のことも文学のこともわかっていてワーグナーのことも全部知っていてそのうえで。とてもおかしいとは思えないのでした。
「むしろあの人を認めない俺達の方が」
 ドイツはこうも思うのでした。
「悪いんじゃなかろうか」 
 そう考えだしていました。そしてある日のことでした。
「えっ、その話は本当か!?」
「はい、そうです」
「今しがた」
 ドイツのところにとんでもない話が飛び込んできました。その話は。ドイツが考えもしなかったことでした。


第二百四十五話   完


                 2008・6・28
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