第二百三十八話 イタリア兄は
第二百三十八話 イタリア兄は
イタリアはドイツと仲がいいです。けれどイタリア兄は違うので問題は複雑です。何しろ彼はドイツが嫌いなことで有名ですから。ただし彼が一方的に嫌っているだけではあります。
「ったくあのソーセージ野郎の何がいいんだよ」
「全くだ」
「何処がいいんだよ」
それを見たイギリスとフランスがすかさずそのイタリア兄に吹き込んできます。こうした時の動きの速さは流石です。変装も完璧です。
「あいつな、色々と悪いことしているんだぜ」
「学園のドンになろうとしているしな」
「そんなことはわかってるんだよ」
イタリア兄はむっとした声で二人に答えます。二人が誰かはわかっていませんがそれでも言うのです。
「あんな大柄でマッチョの何処がいいんだ」
「それは関係ねえだろ」
「ちょっと違うんじゃねえのか?」
逆に二人が突っ込みます。しかしイタリア兄は引っ込みません。
「あいつは何かっていうとドイツドイツだ。オーストリアといいどうしてあの系列に弱いんだよ」
「御前もちょっとは血が入ってねえか?」
「そういえばそうだよな」
「いいんだよ、俺のことは」
自分のことは棚に上げます。
「あの野郎、毎年毎年大勢で観光旅行で来るしよ、騒がしくて困るんだよ」
「観光客はいいじゃねえか」
「御前もかなり儲けてるだろうに」
「それはそれこれはこれなんだよ。俺はとにかくあいつが嫌いなんだ」
「・・・・・・そうか、わかった」
「俺達の出る幕はねえな」
イタリア兄に対しては工作の必要はありませんでした。けれど何か妙な悔しさを味わう二人でありました。上手くいき過ぎたらそれはそれで案外面白くないようです。工作も結構複雑で楽しみ方に癖があるものであります。これが結構。
第二百三十八話 完
2008・6・24
小説・詩ランキング
○●へ多利あランク●○
+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。