第二百三十六話 本当に何も言わない
第二百三十六話 本当に何も言わない
とかくドイツとイギリス、あとオーストリアには色々と言うのがフランスです。口の悪さとか言わなくてもいいことを好んで言うところはラトビアや日本の家の某脚本家さんと似ているのでしょうか。これがとにかくしつこくてボキャブラリー豊富なのです。
「ったくよお、ゆで卵も作れねえ海賊あがりの幽霊マニアがよ」
「ジャガイモとソーセージばっかなんだよ。禿と痛風になっても笑ってやるよ」
「音楽と菓子以外に何かあるのかよ。ベートーベンは御前の国の作曲家じゃねえぞ」
こんな調子です。趣味は悪口ではないのかと思えるレベルです。けれどこれがイタリア相手になると。
「ま・・・・・・まあそうだな」
急に歯切れが悪くなるフランスであります。
「お馬鹿ちゃんだな。まあそういうところだな」
不思議と馬鹿にはしているようですがあまり何も言いません。それを不思議に思ったセーシェルがフランスに対してインタヴューします。
「どうしてイタリア君には何も言わないんですか?」
「だってよ、悪い奴じゃねえだろ」
ここでも少し戸惑いながらの返答です。
「だからよ。どうしてもな」
「言わないんですか」
「だから。あいつはいいだろ?」
何か話を強引に終わらせようとさえします。
「あいつは弱いしヘタレじゃねえか。それでいいんだよ」
「いいって」
「それよりよセーシェル」
挙句に話を誤魔化してきました。
「ブイヤベース作ろうぜ、御前のところの魚や貝でな」
「はあ」
「ジャガイモのソースでな」
「ブイヤベースはトマトですよ」
やっぱり動揺しているフランスでした。何だかんだでイタリアには言わないフランスであります。
第二百三十六話 完
2008・6・23
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