第二千二百八十九話 石を投げればは嘘
第二千二百八十九話 石を投げればは嘘
イギリスとフランスはその巨大な校舎の中を歩きながら手当たり次第に声をかけていきます。
「なあ、よかったらな」
「生徒会長にならないか?」
こうやって声をかけていきます。けれどです。
誰も振り向いてくれません。本当に誰もです。このことにイギリスもフランスも苛立ちを覚えながらそれぞれ首を傾げさせて言いました。
「こんなにいるのに全然だな」
「ああ、俺達の誘いに乗らないな」
「何でなんだ?こんなにいて」
「一人も手を挙げないのは」
そのことがです。二人にとっては不思議で仕方ありません。
試しにです。通り掛かったタイに声をかけました。
「なあ、ちょっといいか?」
「生徒会長になってみないか?」
「いえ、アメリカさんか中国さんの推薦ならいいのですが」
タイは穏やかな笑顔でこう二人にお話します。
「イギリスさんやフランスさんですと」
「おい、俺達じゃ駄目なのか?」
「同じ生徒会の役員だぞ」
「まあそこは色々ありまして」
こう言ってです。そのまま立ち去ってしまうタイでした。
けれど彼の言葉で、です。太平洋の事情が少しわかったのでした。欧州でもそうですが太平洋にもです。しっかりと顔役がいることがです。
第二千二百八十九話 完
2011・9・7
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