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第百九十話 筋肉好き
                 第百九十話  筋肉好き
 ギリシアは古い歴史を持っています。神話が有名ですが芸術もまた有名です。とりわけ彫刻はかなりのものです。
「これはいい」
「そうだよね」
 ドイツとイタリアも感心することしきりです。日本もうんうん、と納得したように頷いています。三人は丁度ギリシアのところに遊びに来ているのです。
「特にこの男の人達がいいですね」
 日本が言うのは裸の男性の像でした。大理石でできています。
「凄くリアルで美しくて」
「筋肉を表現するのは得意だ」
 ギリシアはこう日本に答えます。
「それでだ」
「そうなのですか」
「待ってよ、それじゃあ」
 得意と聞いたところでイタリアはあることに気付きました。
「ギリシアってひょっとしたら」
「ひょっとしたら。何だ」
「凄い筋肉質なんじゃないの?」
 そう予想したのです。
「その服の下は。どうなの?」
「こんな感じだが」
 こう応えて脱ぐとそこには。筋肉モリモリの肉体美がありました。おっとりとした顔立ちですがその肉体たるや見事なものです。贅肉なぞ微塵もありません。
「どうだ」
「すごっ・・・・・・」
「鍛えてあるな」
 イタリアもドイツも絶句です。あのドイツでさえも。
「一応俺の身体をモデルにしているが」
「それでだったんだ」
 謎が一つわかりました。
「彫刻がああなのは」
「とりあえず筋肉には自信がある」
 本人も答えます。
「鍛えてるからな」
 意外なことでした。それにしても見れば見る程。その童顔に合わない見事な肉体美なのでした。


第百九十話   完


                   2008・5・21
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