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第百七十四話 今はどうかというと
              第百七十四話  今はどうかというと
「何かさ、俺とドイツってさ」
「何だ、今度は」
 また一緒にいる二人。イタリアがいつものようにドイツに声をかけてきてドイツがそれに応えます。
「すっごく大事なこと忘れてるような気がするんだけれど」
「そういえばそうだな」
 イタリアに言われてドイツも気付きます。
「何かな。重要なことをな」
「何かな?」
 イタリアにはそれが何なのかさっぱりわかりません。
「何だったかな、それ」
「俺にもわからない。だが」
 ドイツも言います。
「とても大事なことだったな。俺と御前との約束でな」
「約束ってしてたっけ」
「今週のことではないでしょうか」
 日本が二人に対して言ってきました。
「今週は三人でピクニックの予定ですよ」
「あっ、そうだったね」
「そういえばそうだったな」
 二人は日本の言葉を聞いてそれだったかとそれぞれ頷きます。やはりここでもあまり確かな顔にはなっていません。イタリアはともかくとしてあのドイツですらそうです。
「ピクニックかあ」
「さて、何を持って行くか」
「私はお握りです」
 こうした時の日本の定番です。
「ドイツさんはソーセージですか」
「そのつもりだ」
「じゃあ俺はパスタ、お水たっぷり持って行くよ。お菓子もね」
「お菓子もか。まあいいだろう」
 何故か今回はそれで大目に見るドイツでした。今の二人はこんな感じです。けれど昔のことは覚えていません。遠い遠いにあった悲しい別れ。今の二人はいつも一緒にいますけれど。


第百七十四話   完


                  2008・5・13
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