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第百七十二話 別れじゃない
               第百七十二話  別れじゃない
「また会おうよ!」
 こう彼に叫ぶのでした。
「僕達、また会おうよ」
「会おうよって。けれど」 
 神聖ローマは立ち止まって。唇を噛み締めて言うのでした。
「もう俺は。俺達は」
「生きていれば絶対会えるから!」
 それでもイタリアは言い返します。
「生きていれば。何時かまた」
「・・・・・・会えるのか」
「僕は何があっても生き残るよ」
 泣きながら神聖ローマに対して言います。
「それこそ何があっても。弱いけれど」
「生き残るんだな」
「うん」
 こくりと頷いて神聖ローマの言葉に頷きます。
「だから神聖ローマも生きていて。それで何時か会おうよ」
「・・・・・・そうだな」
 神聖ローマもまた。イタリアの言葉にこくりと頷くのでした。
「生きていれば。絶対にまた何時か会えるよな」
「そうだよ、絶対に」
「・・・・・・わかった」
 またイタリアの言葉に頷きます。
「それじゃあ。俺達はまた会おう」
「うん、また何時か絶対にね」
「けれど。暫く会えなくなる」
 これはもうどうしようもありませんでした。けれどその中で神聖ローマは。イタリアに対して言うのでした。
「今だから言うな」
「何?」
「俺は。俺達は」
 最後の告白でした。男と男の。今まで黙っていて心の中にだけ隠していた告白を今するのでした。長い長い、遠い昔のお話です。誰も覚えていない遥か彼方のお話です。


第百七十二話   完


                   2008・5・12
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