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第百六十五話 ハンガリーさんの予感 ☆
              第百六十五話  ハンガリーさんの予感
 一人になってしまったオーストリアさん。けれどすぐに助っ人がやって来ました。
「御前の状況は聞いたで」
 スペインです。彼は鎧兜に身を包んだ精鋭達を引き連れてオーストリアさんの前にいます。かなり頼りになる姿です。
「何ややばいことになっとるらしいけど我がスペインは全力で御前に加勢するで!」
「有り難うございます、おかげで助かります」
「同じ信仰やろ。難しいこと言うな」
 オーストリアさんはカトリック、スペインも同じカトリックです。それに対して家を出て行った人達は最近出て来たプロテスタントです。宗教の理由もそこにはあるのです。けれどスペインの加勢はそれだけが理由ではありませんでした。
「上司も言うてるしな」
「そうですか」
 この時のスペインの上司はオーストリアさんの上司の人と同じ家の人なのです。かつては完全に同じ人でありました。
「しかしまあ何やな」
 ここでスペインは緊張を解いて苦笑いを浮かべて言います。
「御前ってホンマ敵多いな」
「お黙りなさいお馬鹿さん」
 オーストリアさんも負けてはいません。
「貴方と同じ敵ですよ」
「それもそうか。まあ俺考えてるんやけれどよ」
「はい」
「イタちゃんの方からそっちに入ってくから」
「イタリアからですか」
「ああ、そや」
 こうオーストリアさんに話しています。それを聞いたハンガリーさんの顔が見る見るうちに蒼ざめています。
「オーストリアさん、まさか」
「そっちの方があいつ攻めるのに都合がええやろ」
「そうですね」
「貴方が今度戦う相手って・・・・・・」
 二人の話を聞いて不安な顔になります。どうしようもない位に陰惨な、しかもそれと共にとても長い長い戦いがはじまろうとしていました。


第百六十五話   完


                         2008・5・8
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