第百六十四話 オーストリアさんのお友達
第百六十四話 オーストリアさんのお友達
かつては一人になってしまったオーストリアさん。けれど今は孤独ではありません。オーストリアさんの周りには色々な人がいます。
今でもイタリアがいますしハンガリーさんもいます。それに同居しているドイツもいます。
「何で俺は同居しているんだ」
「文句を言うとゲシュタポがマジで来るから言うなよ」
ドイツと同居しているということはプロイセンもまたオーストリアさんと同居しているのです。なおプロイセンとオーストリアさんの仲は滅茶苦茶悪いです。けれど文句を言うととても怖い上司の直属の部下の丸眼鏡にチョビ髭の人が目を光らせるのでとても言えないのです。黒い服のその人は冗談抜きに怖い人なのです。その下には金髪で男前ですがとても冷酷で残忍な人もいますし。
しかもオーストリアさんの音楽に憧れてかあの人まで。
「オーストリアさんの音楽ってとてもいいよね」
ロシアまでオーストリアさんが好きなのです。かつては長い間親しい御友達同士でした。二人で組んでフランスと戦ったこともある間柄です。といってもロシアはよくフランスと御友達になるので関係はかなり複雑なのですが。
「音楽っていいよね。心が洗われるよ」
「げっ、ロシアさんまで」
ロシアが大嫌いなハンガリーはオーストリアさんのお家にロシアが来ると無意識のうちに身構えてしまいます。
「何でこんな人まで来るのよ」
「だって僕音楽大好きだから」
こうしたことは大好きなのです。他にもバレエや文学やポスターも大好きなのがロシアです。意外なことに繊細な一面もあるのです。
「だからいいじゃない」
「そうですね、本当に」
「けれど何かロシアさんのオペラって血生臭いお話が」
「ラトビア、そこから先は言ったら駄目だよ」
リトアニア、ラトビア、エストニアは今日もそのロシアさんのお供でとぼとぼとついて来ています。とにかく御友達の多いオーストリアさんであります。黙っていても人が集まる人はいるものです。
第百六十四話 完
2008・5・7
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