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第百六十二話 ドイツの家
                第百六十二話  ドイツの家
 ドイツの家は大きく分けて二つです。西にそのドイツの家があって東にプロイセンの家があります。金髪碧眼なのはドイツと同じですが彼は結構鋭い顔をしていて何かずるそうな感じもあります。目が特に鋭くで髪型もオールバックではありません。
 一時期彼はロシアのお友達で別々に暮らしていました。けれど今はまた一緒に暮らしているのです。
「結構別居していた時が長かったよな」
「そういえばそうだったな」
 二人はある日そんな話をしていました。
「御前と別れたのは何時だったか」
「!?ええと」
 プロイセンも覚えていないのです。
「何時だったかな」
「とにかく俺達は別々だった」
「ああ」
 これだけは確かなのです。
「俺がまあバイエルンだのフランクフルトだのと纏まったり別れたり色々あったが御前は東で一人だったんだな」
「そうだったな。それで俺が強くなって」
「御前の家に入る形で一つになったな」
 ドイツが言います。
「そうだったそうだった」
 この時の記憶ははっきりしているのです。大体プロイセンの上司にフリードリヒという人が出る前後からです。
「それで上司があの人になって完全に何か変わったな」
「それから戦争があってまた分かれてな」
「そう思うと本当に色々あったな。しかしな」
 ここでプロイセンはあることを思い出しました。
「どうした?」
「俺も御前も。何か一時期の記憶が抜けているな」
「!?そうなのか」
「オーストリアの下にいて。それから」
「そんなことがあったのか」
「何があった」
 やはり二人は覚えていません。プロイセンは腕を組んで考え込みますがそれでも思い出せません。
「あの時。とても嫌なことがあった」
「何だったんだ、それは」
 二人もイタリアも覚えていないのです。その時の遠い遠い記憶は。もう消えてしまっていました。


第百六十二話   完


                  2008・5・6
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