第百六十一話 不穏な空気 ☆
第百六十一話 不穏な空気
最近どうにもこうにもおかしくなってきました。次第に神聖ローマの家の中が不穏な雰囲気に覆われていっていたのです。家の中のリーダー格であるオーストリアさんに対して家の中の人も外の人もつっかかってくるのです。オーストリアさんは適度に対処していますがそれでもです。
「何なのよ、あいつ等」
オーストリアさんが言われるのを覗いているハンガリーさんはイタリアを抱えて苦い顔をしています。
「最近やけにデカイ顔しちゃって」
「何ででしょう」
「理由こじつけてオーストリアさん叩きたいだけじゃないの」
それはもうはっきりしています。はっきりしているのですがそれでもやっているのです。何せそれが目的なのですから。結局のところ理由はどうでもいいしどうとでもできるものなのですから。
「外の連中も変な動き見せているし」
「そうですよね、何か」
「とにかくこのままじゃ心配よ」
ハンガリーさんは不安げな顔を隠せません。イタリアもオロオロしています。二人はこれからのことに不安を感じて仕方がありません。
「皆肉親なのに、それでも」
「はい」
「その肉親同士で殺し合いはじめなきゃいいけれど」
オーストリアさんもいささかお疲れです。そして神聖ローマは一人自分の部屋の中に閉じ篭もってイライラとしていることが多くなりました。不穏な雰囲気は瞬く間に神聖ローマの家やその周りを飲み込んでいっていたのです。何かが嫌な感じに変わろうとしていました。
第百六十一話 完
2008・5・6
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