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第千六百九話 第三勢力登場 ☆
              第千六百九話  第三勢力登場 ☆
「全く御前という奴は!」
 ドイツはいつもイタリアに言う言葉をオーストリアさんに対して使っています。
「いいとこ取りするな。上司を押し付けた癖に!」
「マリアツェるを引っ張るのはお止めなさい」
 しかしオーストリアさんは冷静なままです。本当にマイペースな人です。
「ベートーベンはボン生まれだ。だから絶対にドイツ人だ」
「いえ、彼は偉大なるオーストリア人ですよ」
「その根拠は何だ」
「彼はコーヒー豆を六十粒数えて飲んでいました」
 非常に几帳面で厳格な人格でもあったのです。
「この生真面目さはまごうことなくオーストリア人です」
「それが根拠か」
「はい、根拠です」
 こんな言い争いをしていました。二人は朝から元気です。しかしここで、です。窓が開いていたそこからフランスが顔を出して言うのでした。
じゃあフランス人でいいじゃない」
 いつもの軽い調子での言葉です。
「フランス人ってことにしときなよ」
 これには二人共顔が強張ります。そうして。
「今の言葉は」
「許せませんね」
 いつも通りではありますが。それによって二人を怒らせたフランスでした。まさに口は災いの元、しかしついつい言ってしまう彼なのでした。


第千六百九話   完


                  2010・9・21
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