第百五十七話 その時お兄さんは
第百五十七話 その時のお兄さんは
イタリアがオーストリアさんのところで苦労しながらも楽しくやっていた頃イタリア兄は何をしていたかというと。スペインのところで厄介になっていたのです。
とはいってもあれです。全然働きません。何を教えても身に着けません。とりあえずスペインを困らせてばかりです。
「何でこんなん手に入れたんや」
こう言う人までいます。かくいうスペインもその一人です。とかく我儘で手間ばかりかかるのに使えないのです。最悪といってもいいです。勿論喧嘩は激烈に弱いです。厄介者に他なりません。
けれど何故かスペインはそんなイタリア兄を可愛がっています。シェスタを教えたりします。
「昼になったら寝るんや」
「わかった」
フェスタも。
「お祭りになったら騒ぐんや」
「もうやってるぞ」
やっぱり兄弟なのでこうしたところはイタリアそっくりです。よく考えたら弱いところもイタリアそっくりだったりします。スペインには全然なついていませんが。
ある日。偉そうにパンを食べてクッションの上でくつろいで。居候とは思えない程のでかい態度でスペインに対して尋ねていました。その尋ねることとは。
「女の子にもてるいい方法ないか?」
「女の子にか」
「ああ、そうだ」
それをスペインに対して尋ねるのです。本当に兄弟です。
「あったら教えてくれ。知ってるか?」
「そんなもん御前これしかあらへんやろが」
スペインはすぐに彼に答えてきました。
「あるのか。何だ?」
「これやこれ」
赤いマントを出してきてヒラヒラさせます。闘牛です。やはりスペイン、闘牛が大好きなのでした。それをイタリア兄にも教えますがこれは結局彼には無理だったようです。とかく厄介者でしかないイタリア兄でしたがスペインは可愛がっていたのです。お金も随分かけて。
第百五十七話 完
2008・5・4
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