第千五百五十九話 一人で彷徨って ☆
第千五百五十九話 一人で彷徨って ☆
「さっきは言いそびれた、有り難う」
「って言ってもらえました」
リヒテンシュタインは自分のお部屋のベッドの中でお兄さんの言葉を回想しています。その有り難うという言葉がとても嬉しかったのです。
「兄様に喜んでもらえると私も幸せです」
そう思いながら寝るとです。昔のことを思い出すのでした。
第一次世界大戦が終わってからです。リヒテンシュタインは一人でした。一人で彷徨うその時に雨も降ってです。お腹も空いて家も何もかも。そんな状況でした。
「どうしましょう・・・・・・」
その中で呟く自分がそこにいます。
「恐慌でお家も周りもぼろぼろになっていて・・・・・・」
オーストリアさんもドイツもです。今にも死にそうな人ばかりだったのです。
「食べ物も満足にありません」
そんな絶望的な状況の中、遂にリヒテンシュタインはしゃがみ込んでしまいました。
「私これからどうなってしまうのでしょうか」
もう気力が尽きてきていました。
「私もう駄目かも知れません・・・・・・」
倒れ込むようになったその中での言葉です。
「もう少し国でいたかったです・・・・・・」
そんな中でした。
「おい」
その彼女に声をかけてきた人がいたのです。そしてその人こそがです。リヒテンシュタインにとってはまさに運命の出会いだったのです。
第千五百五十九話 完
2010・8・26
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