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第百五十三話 そっと御馳走 ☆
               第百五十三話  そっと御馳走
「パスタ落ちてないかなあ・・・・・・」
 イタリアは今もかなりよく食べますがそれは昔から同じでした。小さいのに食いしん坊だったのでまかない食ではとても足りません。ですからいつもお腹を空かせていました。この日も何と生ゴミ捨て場まで見て食べられるものを探していました。
「駄目だよ、これはやっぱり」
 生ゴミを見て諦めます。
「食べられないや、こんなの」
 イタリアはこの頃からグルメでした。ですからまずそうなものは食べられないのです。結局この日もお腹を空かせたままでした。
 ですが神聖ローマはそんなイタリアを離れたところから見て思うところがありました。やっぱりイタリアが大事なのです。それで自分が持っていたロールキャベツをそっと置いていきます。実はこれは神聖ローマが自分で作ったものなのです。当然自分で食べるつもりでした。彼にとっても大切な御飯だったのです。それをあえてイタリアの為に置いていったのです。
「あっ」
 イタリアもそれに気付きました。
「あんなところに御飯が」
 それでロールキャベツに近付いて食べます。けれどその味は。
「まずいよ、これ」
「うっ・・・・・・」
 イタリアと神聖ローマではもう舌が全く違ったものになっていたのです。当然豊かなイタリアは美味しいものを食べているわけで。それに気付かなかった神聖ローマ、迂闊と言えば迂闊でした。けれどイタリアのことを大切に思うその気持ちは紛れもない真実なのでした。


第百五十三話   完


                   2008・5・2
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