第百五十二話 歯噛みする人
第百五十二話 歯噛みする人
神聖ローマの家はオーストリアさんが管轄していました。けれどお家にいるのはオーストリアさんと神聖ローマ、イタリア達だけでなく他にも一杯います。スペインも上司の関係でしょっちゅうお家にやって来ます。
「今日はチョコレート持って来たで」
「チョコレートといいますと」
「ほら、あれやがな」
いつもの調子でオーストリアさんにお話しています。几帳面で優雅な感じのオーストリアさんと比べてずっとくだけた感じです。それがスペインの持ち味でもあります。
「俺今新大陸にようさん土地持ってるやろ」
「ええ」
「そっから持って来たんや。砂糖を入れて甘くしたらめっちゃいけるで」
「お砂糖をですか」
オーストリアさんはお砂糖と聞いて目を少し動かしました。お砂糖はこの時は凄く高かったのです。
「それはまた」
「あと他にもあってな」
スペインはオーストリアさんの空気を読まずに言葉を続けます。
「このトマトとか唐辛子とか煙草とか。イモもあるで」
「また随分あるのですね」
「どれでも好きなもんやるわ」
羽振りがよかったので気前もよかったのです。
「俺の家今めっちゃ調子ええからな。どんどん持って行ってや」
「はい」
こんなふうに神聖ローマとその周りは賑やかでした。ところがそれを妬む人が。
「今に見てろよ!」
フランスでした。オーストリアさんに出し抜かれてそれ以降日陰者の彼が物陰から二人を除いて歯噛みしています。彼もこのままでは終わりそうにはありません。果たしてどうなっていくのでしょうか。とりあえずフランスのしつこさは尋常ではないということは覚えておかないといけないかも知れません。あと謀略も達者だということと変態さんであるということも覚えておきましょう。
第百五十二話 完
2008・5・1
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