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第百四十六話 オーストリアさんとお菓子
            第百四十六話  オーストリアさんとお菓子
 昔はオーストリアさんはイタリアにとってとても怖い人でした。ところが今は。
「やれやれ、また貴方ですか」
「うん、また来たよ」
 結構オーストリアさんのお家にお邪魔して楽しくやっています。何故か凄く仲がいいのです。
「俺はパスタ作るからオーストリアさんはお菓子を御願いね」
「ジェラートは作りませんよ」
 一応はこう釘を刺してきます。
「貴方はいつもあれですから」
「ええ〜〜〜〜、ジェラートないんだ」
「そのかわりザッハトルテを作ります」
 こうイタリアに言うのでした。
「それでいいですね」
「ザッハトルテなんだ」
 ザッハトルテと聞くとイタリアの顔が一気に明るくなりました。ジェラートを作らないと言われて困った顔になっていたのが一瞬で消えてしまいました。
「そうです。それでいいですね」
「うん、御願いするよ」
「わかりました。もう貴方が来ることはわかっていましたし」
「あれっ、俺何も言っていないけれど」
 ズボラなイタリアは連絡を全くせずに来たのです。実にイタリアらしいです。
「それでどうして」
「わかりますよ。貴方の行動は」
 すっと微笑んでイタリアに言うのです。
「だからもう事前にザッハトルテの準備をしていたのですよ。後は飾りつけだけです」
「そうだったんだ」
「ワインはトカイでいいですね」
「トカイもあるんだ」
 オーストリアさんが大好きなとても美味しいワインです。それもあると聞いてやっぱりイタリアは笑顔になります。
「用意がいいね」
「貴方も少しは用意しなさい」
 一応はこう叱ります。
「いつもいつもドイツや私に頼ってばかりで。昔からそうなのですから」
 そうは言っても顔は笑っているオーストリアさん。何だかんだでイタリアが嫌いではない彼なのでした。


第百四十六話   完


                2008・4・28
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