第百四十四話 オーストリアさんのこと
第百四十四話 オーストリアさんのこと
「大変だったのですね、イタリア君も」
「大変どころじゃなかったよ〜〜〜〜」
イタリアは日本に対してお話しています。幼いあの時のオーストリアとのことを。
「御飯は少ないししょっちゅう怒られたし」
「その割には今でもオーストリアさんと仲いいですね」
「うん、悪い人じゃないし」
いつもの能天気な顔で答えます。何故かオーストリアを恨む気持ちは今の彼からは全く見受けられません。それが不思議と言えば不思議ではあります。
「色々といいこともあったしね」
「確かに悪い奴ではない」
ドイツもそれは認めるのでした。少し考える顔で。
「ただな。あいつは」
「どうされたんですか、ドイツさん」
「どうもな」
今度は複雑な顔をして日本の質問に答えます。
「俺は苦手だ」
「苦手なんですか?確か同居されて」
ちょっとしたことがあって今ドイツはオーストリアと同居しているのです。実はドイツにとってはこれがあまり面白くないことだったりします。
「だからだ」
「だからですか」
「何であいつはあんなにケチなんだ。しかも」
「しかも?」
「プロイセンと仲悪いしな」
ドイツの同居人です。昔は別々に暮らしていた時期もあったのですが今ではまた同居しています。
「だが上司の命令だからな。仕方ない」
「いいじゃない、皆いたら賑やかで」
「・・・・・・そうはいかない。俺の家はな」
家の中にまで悩みのあるドイツ、彼から苦労が消えることはないのでした。何故か苦労に愛されてしまっている彼なのでありました。
第百四十四話 完
2008・4・27
小説・詩ランキング
○●へ多利あランク●○
+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。