第百四十二話 あの時は
第百四十二話 あの時は
「あの時は驚いたで、ホンマ」
スペインがフランス相手に色々と話をしています。今度はスペインがフランスの家に来ています。やっぱりやることといえばお酒なのですが。食べ物も一杯置いてあって楽しくお話というわけです。
「気付いたら御前と宿敵になってたからな」
「それがあいつの家のやり方なんだよ」
フランスは不機嫌な顔でスペインに対して言います。
「気付いたらいきなりだったろ」
「そや。何か上司が変わってて」
「俺のところもな。上司の奥さんになっててな」
「ああ、あれな」
これはスペインも知っていることでした。ワインとエスカルゴ、それにパエリアを食べながら二人は話しています。
「御前のとこもそうなったんやったな」
「御前のところはそれであれだろ?」
フランスもワインを飲みながらスペインにまた言います。
「上司が」
「ああ。まあそれで一時期羽振りがよおなったんやけれどな」
「一瞬だったな」
「ホンマむかつくで、イギリスの奴」
「ああ、わかるよそれは」
イギリスととかく仲の悪いフランスがこれに頷かない筈がありませんでした。
「あいつなあ。土壇場になったら強いんだよな」
「俺も勝ったと思ったんやけれどな」
「御前俺には結構勝ってるじゃねえか」
「そやったっけ」
「そやったっけじゃねえよ」
憮然としてスペインに言い返します。
「ったくよお。イギリスやアメリカには負けるんだからな」
「じゃあゲリラやろか」
「・・・・・・それだけは止めろ」
過去を色々と思い出しながらワインを酌み交わすのでした。何気に腐れ縁の二人であります。
第百四十二話 完
2008・4・26
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